ぷんぷんに香ります
雑記

24.02.19

おとといくらいに満開で、今日から花が散りはじめています。小さくて高さは30センチもないくらいですけど、花はたくさんです。そして、なんといっても匂いがスゴいです。朝おきると周囲に匂いが立ち込めており、結構良い気分です。

私は植物を育てるのは苦手で、そんなことを随分前にも書いた気がしますが、それでも梅は咲かせることが出来ました。ほとんど咲く手前の、かなり良い状態に御膳立てしてあるものでしたし、ほとんどそのおかげな気もします。来年咲くかどうかが勝負です。

苔は難しいですね。はじめは日照が少ないのか茶色くなって、日に当てたらあてたで、今度は当てすぎで一部黒く欠損してしまいました。とりあえず今年は梅を咲かすことに集中して、肉を切らせて骨を断つではありませんが、多少苔がやられてもという心持ちで育てています。

あと、なぜか昨年からカブトムシの幼虫を飼いはじめています。それをちゃんと羽化させられるかどうか、今年は緊張の連続です。

ケースバイケース
修理とメンテ

24.02.19

持ち込んで頂いたときに、正面のネジ頭が浮いていました。トップ画像の通り、裏からネジを入れるタイプでした。ネジはそのまま活用して、スッキリ収まりました。

裏からネジを入れるパターンは表に出たネジをぴったりカットしていることがありますが、これはカットされる前でした。それを今回の加工でカットしてしまうのは、なんとなくもったいないので、現行のハットナットを被せて誤魔化しています。因みに1.2ミリのハットナットは入らないので、1.4ミリのハットナットを被せています。これは本来ならネジと径が合わないので抜け落ちるはずですが、あれこれ適当に試していき、それなりに引っかかるものを選んで被せています。ナットの1.2ミリを無理やり共締めしたときに、ネジのスクリューが浅くなるのは良くないので、ガバガバのナットで程よく被さるものを選んでいます。

仕上がりはこんな感じです。

未処理
修理とメンテ

24.02.19

2月の振り返り。

トップ画像は加工後です。加工前はこんな感じでした。

ブリッジが16bitみたいな感じです。色々なフレームを持ち込んでいただいておりますが、初パターンでした。金具があって不安でしたけど、確かに未処理にも程があるので頑張って削りをいれて磨いてみました。

ちょっとキーホールのカーブが「くの字形」ぽくなりましたけど、追い込んで変な風になるとアレなので、こんな感じで終えました。

金曜日も休みます
営業案内

24.02.15

2月16日(金)も休みます。

明日は休みます
営業案内

24.02.12

眼科さん出張があるので、明日の2月13日(火)は店を休みます。年明けから、第二火曜日になってますね。

ハーフミラー
ヴィンテージのメガネ

24.02.09

ハーフミラー(シルバー)がカッコいいので、どうしようかなと思いまして、敢えて天地浅めのフレームに枠入れしてみました。ほぼミラーで、赤チラ見せくらいに設定してみました。

ポルタロマーナというメガネで、元ネタはカルティエです。これは言い逃れ出来ないレベルです。

オリジンではない方、にせものの方がカッコよくなってしまうことは往々にしてあります。その辺を愛せるようになると、そのゾーンの通みたいな風潮もありますしね。個人的には、オリジンと同じ方向に持っていくとずっと二番手のイメージが付き纏うので、別方向に持っていくとカッコ良くなりやすいのかなと考えております。

オリジンより智の作りがゴツくて、この玉型でウッドテンプルというのが愛すべきポイントです。作りの点で推せるポイントが十分にあります。あとは醸し出せる雰囲気が違えば、胸張ってこれが好きと言えるかなと思いまして、レンズでちょい足ししました。

ゴージャス路線はオリジンの特権ですから、ミラーでスポーツ感を足してみて2000年頭くらいの軽快な感じに振ってみました。天地が浅いので、レンズ変えるだけでイメージが激変しました。例えるなら、スニーカーの白メッシュで銀みたいな雰囲気になった感じです。

明日は休みます
営業案内

24.02.02

2月3日(土)は休みます。

軌跡
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

24.02.02

木は、まず二型でいこうかなと考えています。一つが年末にご紹介した向かって左側の、べっ甲のフレームみたいにツートンになっている“凛之十七”というモデルです。向かって右が、オリジナルのモデルです。どちらも工房樹製です。

前回のブログに書いた通り、30年代あたりのイギリスのフレームを元ネタに作ったと書きましたが、作ることの狙いみたいなことを書き残しておきます。

もちろん復刻とか保存出来る状態に変換するとか、ヴィンテージの店が新品を作る際に大事にするところは抑えております。ただそれは私がやりたいだけのことであって、作る方は特に興味が無いかもしれません。しかも、そもそも東海圏も他で取り扱いはもちろんあります。お客さんも、ヴィンテージとかレトロなテイストが好きで無ければ、「で??」で終わってしまうかもしれません。そして少なくとも私が工房樹を知ってから10年以上経っていましてその間の実績もあるでしょうから、私がいまさら始める必要も無いかもしれません。確か始めて知ったのは、大学生のときにクレイドルさんで頂いたリーフレットだった記憶があります。

そういう状況で、ヴィンテージの復刻でブルバキオリジナルということでは要素が足りないなと感じました。特に、お客さんに対してのアレが少ない気がしたんですよね。

そこで、今回はヴィンテージの再現を木でしながら、実は木の質感を極力出さない方向にしてみようと試みました。なぜ“実は”かと申しますと、もちろん作る際にどこにも共有していないからです。ある程度関係があればその方針の共有もありでしょうけど、初めましてでそれを伝えたら、じゃあオリジナルの製作をやめますシャッターガラガラとなりかねません。

もちろん木で再現するわけですから、木の質感の否定ではありません。メガネに限らず様々なジャンルにおいて木が好きであることは前提です。先に仕入れした、“凛之十七”のように、木の良さが剥き出しのフレームがあるのであれば、木の良さが垣間見えるくらいのフレームがあっても良いかなと思ったんですよね。垣間見えるというのは、高校古文程度の知識ですけど日本的な感覚ですし。木の素材の強さ(雰囲気てきな意味で)は凄まじいですから、隠したところで漏れ出ちゃうと予想されます。そのどうしても滲み出るくらいを作り、木の良さが前面のものと並列させることで幅が生まれるのかなと考えまして、裏テーマとして木の質感を出来る限り隠すということをしてみました。

木の可能性の幅もそうですし、それはお客さんにとって選択の幅が広がるということも含みます。木の良さの露出度の上限があったとして、オリジナル製作でその下限を用意してみました。これにより、凛之十七をいま黒柿で店頭に用意しておりますが、“私は質量は欲しいけどテクスチャーは控えめで、凛之十七で黒檀にする”という間が生まれます。また、“質量は抑えて、木のテクスチャーは前面に欲しいです”ということでしたら、オリジナルを黒柿等々で作る、みたいな間も存在します。

ちなみに、方針の共有が否定という誤解を招く可能性がこの段階で微かでもある以上、畏れ多くも具体的な指示によって物を作っていただく必要がありました。こんなに長々と文を書く人間ですが、それは苦手だったりします。よく“手を離して目を離さず”とか言いますけど、手も目も離したいタイプです。

図面は、ヴィンテージの元ネタを原寸でトレースして、自明な問題である

・ブリッジが狭いので広げる

・フロントの幅が狭いので智を延ばす

を先に解決して頂いた状態で私の元に届きました。

ゆったり感を出すために鼻幅24ミリにしましたが、これは選べるようになりました。

智はコンパクトであればあるほどレトロでカッコいいメガネになりますが、顔に合わせるなら横方向への延長は仕方がないことです。しかも今回は蝶番金具を安定して固定させるために上から見ると厚みが加わってきますから、このままだと智の全体のボリュームがそこそこになってしまうと予想されます。こうなると、さすがに仕方がないだけで見過ごすことは許されません。

そこで横が拡がるなら縦を縮めようという最単純な思考で智の縦幅を1ミリ削り、調子を取るためにテンプルも1ミリ削りました。図面上は、2ミリ削っても良いかなとか迷いましたが、完成を見て、1ミリで十分存在感を抑えられたのではないかなと感じております。

あとは、下限を作るということですから具体的な数値で示さずに、フロントを薄く出来る限界までということでお願いして以上ですね。そんな感じで出来上がっております。対面とか隣同士で座って話すくらいの関係性なら、それくらいの距離かつ顔付近を見る関係なら、“そのメガネって木なの?”くらいに気づかれるかもですね。これくらいの主張なら、営業の仕事でも着けて頂けるのでは無いでしょうか?

余談ですが、図面にしてもらって、ようやくこのメガネが好きな理由が紐解けました。要はこのイギリスのフレームなんですけど、アーネルの兄弟みたいですね。智の部分を連続的に動かしてレンズの真ん中よりも上にあるものを想像してみてください。アーネルとか、ああいうウェリントンですよね。腕の位置で、四角のメガネにも丸のメガネにも見える、絶妙な玉型ということなんでしょう。

 

手前味噌
雑記

24.01.31

そういえばイギリスが好きですね。時計がそうでした。

サラリーマンの時だったから、10年以上前ですね。この辺も、金の価格が天井知らずというのもありますが、なんかすごいですね。さまざまな遊べるヴィンテージが、この世から消え去ろうとしています。

その時は服で手一杯でして、時計はアクセントの位置付けでした。なのでムーブメントとかはよく分からないまま生きていこうと決めて、とにかく金無垢の時計が欲しいなあということでこれにしました。そしたら尾錠も気になって、尾錠はクレドールなんですけど、金無垢を探してつけています。合わせても10万くらいだった気がします。そのときは気づけませんが、2010年代も良い時代でした。

黒檀 無垢
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

24.01.31

かなり早く仕上がってきました。黒檀の無垢材のフレームです。めっちゃ良いです。

元ネタは、イギリスの30年代とか40年代とか言われているフレームですね。

その年代判定が本当かはさて置き、普通な感じのセルフレームの中で一番好きな物を再現してみました。普通が何かはさて置き。動機、俺が好き、以上。ということで、木で再現しました。非常に理由はシンプルです。

ヴィンテージが最高峰と決まってはいませんから、現代では克服された仕様も多々ですし、ヴィンテージが好きでもそこから物を作るのであれば冷静に直すべきところは手直しなければなりません。要所要所がちょっとずつ大きいけど、なんとかヴィンテージに見えるラインを狙ってみました。

・44□24-140です

・受注生産で、ブリッジは22ミリの選択が可能です

・テンプル長は、この店頭サンプルを掛けてみて決めましょう

・鼻あては、セルフレーム風の貼りタイプも選択可能です

・鼻あてを貼りタイプで選択した場合、高さの指定が出来ますが、幅寄せ量は指定出来ないです

・そもそも黒檀以外の木も選択可能です

ブリッジが24ミリの場合は、今回みたいにクリングスの方が掛けた姿がピシッと決まりやすいでしょうね。

 

昨今、ヴィンテージが高すぎて参っちゃう問題があります。色々な面で参っちゃうんですけど、結構参っちゃうのが、高くなり過ぎると脱構築的な転倒がしやすくなってしまうんですよね。昨年のTR90アーネルもどきのご紹介は、そういう意図でした。

今回はもう一つの転倒方法です。ヴィンテージが高くて参っちゃうとか言いつつも、別にそれはそれだよね多様性だよねとしつつ、その金額で今できる今でこそ出来る何かに突っ込むという方法です。それが今回の、黒檀による再現ということになります。

物が良いだけでは売れない時代ですよと、創業以来何度も多方面から言われ続けてきました。頑張って無視し続けて今です。何とか残っています。カルチャーとか背景の礼賛の時代がありました。それらが手法として、なおかつその中身も形式化しきったのか、この1・2年は、物自体への大政奉還が行われた気がしています。物の質量、素材の肌理を大事にする傾向の復活を感じます。銀無垢のメガネをずっと販売しておりますが、オッカムの剃刀で銀だから良い以上!手彫り最高!というシンプルで最高の共感の仕方が増えました。スパッと感が気分です。

もう一度、このメガネに話を戻しまして。色々つくりやデザインの意図やら何やかんやありますし、どういう意思決定があってサンプルからこのようになったのかは別途書く予定です。まずは、黒檀だから最高、以上、ということです。めっちゃカッコ良いです。

ちなみに飾りピンは、ヴィンテージフレームに良くある真鍮ピンのグズグズの雰囲気を出したくて、始めはリグナムバイタを指定しました。結局あれは柔らかくて細いピン状にならないとのことでして、パロサントが入っています。

セルよりも物持ちが良いかどうかは、どうなんでしょうね。私もこれから使ってみてということになります。皆さんもそこが気になるところですよね。工房樹さんにこのフレームを依頼する前に悩んだのはやっぱりそこです。

どうしようかなと考えて生活しておりまして、食器を洗って乾燥機にかけてたときに、ラーメンとかの塩分でじゃぶじゃぶしても、洗剤でゴシゴシ油分抜いても、乾燥機でパリッと乾燥させても、そういえば箸って割れ無いなと気づきまして。なんなら木椀は乾燥機はダメとわかりつつ、面倒なので乾燥機に一緒に入れちゃう派ですが、案外割れないですもんね。それでやろうと思いました。実際、メガネにするにあたってあれこれ材料にしっかり処理が施されているようです。

少なくとも可塑剤が無いですから、セルのメガネやスニーカーのように置いとくだけでも劣化が進んでいて、日々気が気でないみたいなことが克服出来ます。木でメガネを作ることの理由はたくさんあると思いますが、個人的には置いておきやすいというのは、かなり大事なポイントだったりします。

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