シャキーン
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

24.02.21

ホワイトゴールドと銀無垢のツーポです。レンズ形状変えました。

変える前は大きめの、ツーブリッジが似合いそうな玉型のレンズを入れていましたけど、今回はゴルチエからトレースしてサイズ伸ばして枠入れしました。オーバルとティアドロップの間みたいな、横長でよく見ると特徴的な玉型です。もともとの90年代後半からY2Kな雰囲気に戻しました。

スモークの20%にシルバーミラーです。ホワイトゴールド(K14)の部分の方が、黄色味がありますね。

 

ファッションに全力でついて行く店でも無いですし、ファッションの流れを全く無視するということも無いので、ほどほどにということなんですけど。丸とかボストンとかウェリントンの次をどうしましょう問題がありますよね。冷静に、別にどうもしなくても良いんですけどね。

何となく3パターンありそうで、一つはツーブリッジのデカ目。一つは90年代回帰のちょいデカオーバル。もう一つが天地浅めのY2Kなシャキシャキメガネ(ツーポ)です。後ろ2つはアラフォーからしても、ついこの間なんだけどなぁって感じがします。

ということで今回は、オーバルと天地浅めの間を狙ってみて、あんな感じになりました。

これは別モデルで昨年作った物ですが再掲します。これは、フロントだけで判断するとY2Kな天地浅めのツーポですよね。昨年末くらいから急に、この感じが良いなあと言ってもらえる機会が増えました。

シャキシャキメガネが実権を再び握るみたいな返り咲きパターンよりかは、ふわふわメガネもシャキシャキメガネもお好みで・気分で、こんな感じで戻ると良いんですけどね。先ほどの話と絡めますと、キッチリカッチリ作ることと出来上がった物がシャキシャキに仕上がることは近い関係な気がしますから、シャキシャキ勢がちょっとでも増えると、色々良いですよね。

街ですれ違うくらいなら、多分わからない
メガネのはなし

24.02.21

TR90のアーネル風のレンズ交換しました。グレーの50パーセントです。

やはりアレみたいですね。初見では「ん、あれ?え?ん、ん??」みたいな反響が多いみたいですね。そうですよね。

その反応の後に、ディテールのチェックと正誤確認を経て、これはヴィンテージちゃうわみたいなことになるみたいですね。

ここからブルバキの製作に繋げるのであれば、細部の手を抜いて良いということでは無くて、まずは大枠を掴むことが大事で、ディテールの追求はその後ということでしょう。むしろ大枠を掴んでいなければ、ディテールの追求が意味を成さない可能性もあるということでしょう。

フロントだけでいえば、ダイヤのリベットでは無いので即時にアーネルちゃうわと認識出来るんですけど。復刻とかそういうことになったときに大事なのはどうやらそういうことではなくて、局所の分析とそれらの統合では掴めない何かが大事っぽいですね。

年明けから木のフレームを始めました。黒檀でイギリスのヴィンテージフレームを再現してラインナップに加えております。何を再現するかの選定の時点で、実際は目と手をすぐ離せる題材を選ぶというのも、ちょっと理由としてはありました。めちゃくちゃあのフレームが好きなのは大前提で、補足として木で再現してもっとよくなりそう、そんな読みがありました。

木で再現すると、フロントからテンプルにかけてのボリュームや立体感が足されます。木の材料でそれらの要素が足されると、完成品は物凄く高級感が出そうというのはすぐにイメージが湧きました。そうイメージしたときに、例えばアメリカンヴィンテージの類を題材に持ってきてしまうと、その雰囲気が再現に際して足され、結果違うものになってしまうのかなと懸念されます。欲しかったカッコ良さはそこじゃないみたいな。そんなことも考えてイギリスのフレームを、木で再現することの第一弾の題材として選んでいます。

なので、物凄くコントロールしたら黒檀アーネルみたいな物が作れるのかもしれませんが、なんとなく想像の産物のような気もします。今のところブルバキではアメリカンヴィンテージやその周辺は、木で作ることは無さそうです。木で作るという選択が、アメリカンヴィンテージの大局を掴むには適していなんじゃないかなという素材からの予想と、やはり日本はキッチリカッチリな製作が得意なので、そうじゃないものを無理して掴もうとしなくてもいいかなと、今のところ思っているからです。掴みやすいところを掴めば良いでしょうし、それは楽しているとかでは無いじゃないですか。緩くラフな時代なのは承知で、緩くラフに見てもらえるような工夫は込めて、作るものはキッチリカッチリ続けたいですね。

 

ぷんぷんに香ります
雑記

24.02.19

おとといくらいに満開で、今日から花が散りはじめています。小さくて高さは30センチもないくらいですけど、花はたくさんです。そして、なんといっても匂いがスゴいです。朝おきると周囲に匂いが立ち込めており、結構良い気分です。

私は植物を育てるのは苦手で、そんなことを随分前にも書いた気がしますが、それでも梅は咲かせることが出来ました。ほとんど咲く手前の、かなり良い状態に御膳立てしてあるものでしたし、ほとんどそのおかげな気もします。来年咲くかどうかが勝負です。

苔は難しいですね。はじめは日照が少ないのか茶色くなって、日に当てたらあてたで、今度は当てすぎで一部黒く欠損してしまいました。とりあえず今年は梅を咲かすことに集中して、肉を切らせて骨を断つではありませんが、多少苔がやられてもという心持ちで育てています。

あと、なぜか昨年からカブトムシの幼虫を飼いはじめています。それをちゃんと羽化させられるかどうか、今年は緊張の連続です。

ケースバイケース
修理とメンテ

24.02.19

持ち込んで頂いたときに、正面のネジ頭が浮いていました。トップ画像の通り、裏からネジを入れるタイプでした。ネジはそのまま活用して、スッキリ収まりました。

裏からネジを入れるパターンは表に出たネジをぴったりカットしていることがありますが、これはカットされる前でした。それを今回の加工でカットしてしまうのは、なんとなくもったいないので、現行のハットナットを被せて誤魔化しています。因みに1.2ミリのハットナットは入らないので、1.4ミリのハットナットを被せています。これは本来ならネジと径が合わないので抜け落ちるはずですが、あれこれ適当に試していき、それなりに引っかかるものを選んで被せています。ナットの1.2ミリを無理やり共締めしたときに、ネジのスクリューが浅くなるのは良くないので、ガバガバのナットで程よく被さるものを選んでいます。

仕上がりはこんな感じです。

未処理
修理とメンテ

24.02.19

2月の振り返り。

トップ画像は加工後です。加工前はこんな感じでした。

ブリッジが16bitみたいな感じです。色々なフレームを持ち込んでいただいておりますが、初パターンでした。金具があって不安でしたけど、確かに未処理にも程があるので頑張って削りをいれて磨いてみました。

ちょっとキーホールのカーブが「くの字形」ぽくなりましたけど、追い込んで変な風になるとアレなので、こんな感じで終えました。

金曜日も休みます
営業案内

24.02.15

2月16日(金)も休みます。

明日は休みます
営業案内

24.02.12

眼科さん出張があるので、明日の2月13日(火)は店を休みます。年明けから、第二火曜日になってますね。

ハーフミラー
ヴィンテージのメガネ

24.02.09

ハーフミラー(シルバー)がカッコいいので、どうしようかなと思いまして、敢えて天地浅めのフレームに枠入れしてみました。ほぼミラーで、赤チラ見せくらいに設定してみました。

ポルタロマーナというメガネで、元ネタはカルティエです。これは言い逃れ出来ないレベルです。

オリジンではない方、にせものの方がカッコよくなってしまうことは往々にしてあります。その辺を愛せるようになると、そのゾーンの通みたいな風潮もありますしね。個人的には、オリジンと同じ方向に持っていくとずっと二番手のイメージが付き纏うので、別方向に持っていくとカッコ良くなりやすいのかなと考えております。

オリジンより智の作りがゴツくて、この玉型でウッドテンプルというのが愛すべきポイントです。作りの点で推せるポイントが十分にあります。あとは醸し出せる雰囲気が違えば、胸張ってこれが好きと言えるかなと思いまして、レンズでちょい足ししました。

ゴージャス路線はオリジンの特権ですから、ミラーでスポーツ感を足してみて2000年頭くらいの軽快な感じに振ってみました。天地が浅いので、レンズ変えるだけでイメージが激変しました。例えるなら、スニーカーの白メッシュで銀みたいな雰囲気になった感じです。

明日は休みます
営業案内

24.02.02

2月3日(土)は休みます。

軌跡
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

24.02.02

木は、まず二型でいこうかなと考えています。一つが年末にご紹介した向かって左側の、べっ甲のフレームみたいにツートンになっている“凛之十七”というモデルです。向かって右が、オリジナルのモデルです。どちらも工房樹製です。

前回のブログに書いた通り、30年代あたりのイギリスのフレームを元ネタに作ったと書きましたが、作ることの狙いみたいなことを書き残しておきます。

もちろん復刻とか保存出来る状態に変換するとか、ヴィンテージの店が新品を作る際に大事にするところは抑えております。ただそれは私がやりたいだけのことであって、作る方は特に興味が無いかもしれません。しかも、そもそも東海圏も他で取り扱いはもちろんあります。お客さんも、ヴィンテージとかレトロなテイストが好きで無ければ、「で??」で終わってしまうかもしれません。そして少なくとも私が工房樹を知ってから10年以上経っていましてその間の実績もあるでしょうから、私がいまさら始める必要も無いかもしれません。確か始めて知ったのは、大学生のときにクレイドルさんで頂いたリーフレットだった記憶があります。

そういう状況で、ヴィンテージの復刻でブルバキオリジナルということでは要素が足りないなと感じました。特に、お客さんに対してのアレが少ない気がしたんですよね。

そこで、今回はヴィンテージの再現を木でしながら、実は木の質感を極力出さない方向にしてみようと試みました。なぜ“実は”かと申しますと、もちろん作る際にどこにも共有していないからです。ある程度関係があればその方針の共有もありでしょうけど、初めましてでそれを伝えたら、じゃあオリジナルの製作をやめますシャッターガラガラとなりかねません。

もちろん木で再現するわけですから、木の質感の否定ではありません。メガネに限らず様々なジャンルにおいて木が好きであることは前提です。先に仕入れした、“凛之十七”のように、木の良さが剥き出しのフレームがあるのであれば、木の良さが垣間見えるくらいのフレームがあっても良いかなと思ったんですよね。垣間見えるというのは、高校古文程度の知識ですけど日本的な感覚ですし。木の素材の強さ(雰囲気てきな意味で)は凄まじいですから、隠したところで漏れ出ちゃうと予想されます。そのどうしても滲み出るくらいを作り、木の良さが前面のものと並列させることで幅が生まれるのかなと考えまして、裏テーマとして木の質感を出来る限り隠すということをしてみました。

木の可能性の幅もそうですし、それはお客さんにとって選択の幅が広がるということも含みます。木の良さの露出度の上限があったとして、オリジナル製作でその下限を用意してみました。これにより、凛之十七をいま黒柿で店頭に用意しておりますが、“私は質量は欲しいけどテクスチャーは控えめで、凛之十七で黒檀にする”という間が生まれます。また、“質量は抑えて、木のテクスチャーは前面に欲しいです”ということでしたら、オリジナルを黒柿等々で作る、みたいな間も存在します。

ちなみに、方針の共有が否定という誤解を招く可能性がこの段階で微かでもある以上、畏れ多くも具体的な指示によって物を作っていただく必要がありました。こんなに長々と文を書く人間ですが、それは苦手だったりします。よく“手を離して目を離さず”とか言いますけど、手も目も離したいタイプです。

図面は、ヴィンテージの元ネタを原寸でトレースして、自明な問題である

・ブリッジが狭いので広げる

・フロントの幅が狭いので智を延ばす

を先に解決して頂いた状態で私の元に届きました。

ゆったり感を出すために鼻幅24ミリにしましたが、これは選べるようになりました。

智はコンパクトであればあるほどレトロでカッコいいメガネになりますが、顔に合わせるなら横方向への延長は仕方がないことです。しかも今回は蝶番金具を安定して固定させるために上から見ると厚みが加わってきますから、このままだと智の全体のボリュームがそこそこになってしまうと予想されます。こうなると、さすがに仕方がないだけで見過ごすことは許されません。

そこで横が拡がるなら縦を縮めようという最単純な思考で智の縦幅を1ミリ削り、調子を取るためにテンプルも1ミリ削りました。図面上は、2ミリ削っても良いかなとか迷いましたが、完成を見て、1ミリで十分存在感を抑えられたのではないかなと感じております。

あとは、下限を作るということですから具体的な数値で示さずに、フロントを薄く出来る限界までということでお願いして以上ですね。そんな感じで出来上がっております。対面とか隣同士で座って話すくらいの関係性なら、それくらいの距離かつ顔付近を見る関係なら、“そのメガネって木なの?”くらいに気づかれるかもですね。これくらいの主張なら、営業の仕事でも着けて頂けるのでは無いでしょうか?

余談ですが、図面にしてもらって、ようやくこのメガネが好きな理由が紐解けました。要はこのイギリスのフレームなんですけど、アーネルの兄弟みたいですね。智の部分を連続的に動かしてレンズの真ん中よりも上にあるものを想像してみてください。アーネルとか、ああいうウェリントンですよね。腕の位置で、四角のメガネにも丸のメガネにも見える、絶妙な玉型ということなんでしょう。

 

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