計画自体は今年の2月頭から動いていました。その時点で、「6月までライン組んじゃっているので、それ以降です」と返事がありまして、待ちに待ってようやく仕上がりました。鼻パッド用の金無垢の板材の入荷が遅れて、7月となりました。
ブリッジのみ、金無垢にしてみました。全部金無垢は、ロレックス買うわーって金額になるので、今じゃないなと思いまして。矛盾しますが、そうは言っても値段ばかり気にしていたらいつまでたっても金無垢を使用した眼鏡なんて作れないなと思い、勢いでブリッジのみですが金無垢のコンビを作りました。デイトジャストっぽくて良いです。
発端は、金無垢の鼻パッドをサンプラチナのフレーム用に作ろうと思い、見積もりをとったことです。グラム7,000円の時代ですが、前回と同じ値段で見積もりが上がってきました。そうであれば、例えばコロナが落ち着いて金価格も落ち着いて5,000円台に戻ったとしても、商品価格を連動して変化させなくてもよく、ある程度変化のない価格を提示し続けてお客さんに長い目でじっくり安心して悩んでもらうことが出来ます。とても高い値段なので、そこの安定感があるのは最大の決め手でしたね。多分、メーカーさんの出血によって成立しているのかもしれませんが…。そしてブリッジも見積もり出して頂き、値段も「あっ、、ふぅ〜ん」って感じなので作りました。
金無垢のブリッジを作るに際して、新たに図面を描いて頂きました。その際、サンプラチナのツーポで散々試したこと、お客さんの反応、フィッティングの際にどこをどう動かしたかをお伝えして、一層眼鏡としての安定感を高めることに注力しました。具体的には、クリングスの形状とロー付けの仕方を変えて、箱の初期位置が鼻骨底部の良い感じのところに来るようにして、その状態で箱の位置と腕の位置のバランス、またそれによって決定されるレンズの前傾角のバランスも取り直してもらいました。
また、レンズの形を1型に決めております。サンプラチナのツーポで一番評判が良かった形で決定しました。それに決めきっちゃうことで、レンズのキャッチが非常に綺麗に隙間なく取り付けられるようになりました。
鼻パッドは、新規で型から起こして頂けました。
眼鏡業界にいれば、金無垢の眼鏡が大体これくらいの値段ってのが分かるんでしょうけど。今まで高級時計や高級靴や高級スーツとか、そういう所謂「オトコの上りの一品」に眼鏡があがってこなかったせいで、いまいち値段が不透明だったりします。そこも気になっていた部分でして、同一メーカーのほぼほぼ同一構造で、またそのうちブログ書きますがこのくらいの金の使用量でこんなもんの値段(および上がり幅)ですということがクリアになれば良いかなと思いまして、そんなことも念頭にあって作りました。
色々あり過ぎて、ようやく今じっくりと完成品を眺めております。想像以上にツートンがカッコ良かったです。