鼻の削りが鋭く入っており、鼻盛りのパッドを乗せる平面がない場合の取付例です。斜面に取り付けています。寄せて上げたいので、パッドを改造して融着です。
要は、赤線のように削り落として、パッドの角度の調節と、斜面に接地するようにします。
有色フレームであれば、足の取付でもいいかなーと思っちゃいます。クリアフレームであれば、極力こんな感じに仕上げたいものです。
20.03.23
鼻の削りが鋭く入っており、鼻盛りのパッドを乗せる平面がない場合の取付例です。斜面に取り付けています。寄せて上げたいので、パッドを改造して融着です。
要は、赤線のように削り落として、パッドの角度の調節と、斜面に接地するようにします。
有色フレームであれば、足の取付でもいいかなーと思っちゃいます。クリアフレームであれば、極力こんな感じに仕上げたいものです。
20.03.23
明日の火曜日は休みます。育休です。
20.03.22
AOのカットリム初めてみました。パッと見、普通のメガネ屋さんのセット価格のフレームにあるような、特に何でもない紳士用メガネという雰囲気なんですけど、各パーツのゴツさが効いていまして、掛けるとカッコいいです。
天地浅めです。また、ローデンのリチャードのようなプレスがブリッジとテンプルに施してあります。ひょっとして、リム上部にネジ穴を取り付けて、サーモントも存在していたのかなと思わせます。
やはりドイツっぽい雰囲気出てます。
何気に金張りでした。テンプルのロゴからすると70年頭ですから、張りの厚みの記載はありませんが、おそらく1/20でしょうね。
この部分の余白の無さが好きです。鎧のタイプの智も、キッチリとパーツを詰めればカッコいいですね。正面から見てもメガネが横に間延びした感じが生じず、いい感じです。
20.03.22
昨日のインスタのアレはコレでした。いやー凄かったです。どの方向から眺めても、切削面があって、製作時の指示書はどうなっていたのか不明レベルです。とても綺麗です。驚きとしては、OGのズークよりもずっとありました。その分パワーがありすぎて、相当掛けづらいんでしょうけど。
粗のヤスリを入れたり削ったのは大体この辺りです。粗をやり過ぎると、つるんと丸っこいフレームになってしまうので、削りすぎ注意です。
製品としては、そもそもの磨きがやや粗く、表面がうねっている箇所が多々ありましたが、それはもう少し番手の大きいペーパーでなぞってからか、そのままバフで勝負して、平面をしっかりと作りました。布目が出ないように注意しながら、これだけの面のバフ掛けとなりますと、難しいというより細かくてしんどいです。
シューティングの芯がやや変色しているということで、若干生地の縮みが生じているのでしょう。ただ、臭いが出ていないこと、水研ぎした時に生地が溶けないことから、まだ使用には耐えうると判断しました。
迷いましたけど、定番の緑にしました。
20.03.21
レンズ交換と鼻盛り。東京の古着屋で買ったとのことだったので、この辺のメガネまで提案してくれる服屋があるのは羨ましいなと思いました。
枠とレンズのグラデーションが合わさると、強烈な70年代感が生まれます。ちょうど、この前の木曜日に『幸福の黄色いハンカチ』を観まして、桃井かおりがこんな感じの四角い白枠に、スモークのグラデーションレンズでした。やや今様にするため、レンズはオールカラーの緑に変更です。
このフレームに限らずなんですけど、ニナリッチは面白くて、フレームにダイレクトに溝を掘って、そこに着色しています。テンプルの黒い線もリムの黒い線も写真だと分かりにくいですが、段差があります。
フロントから見ると、その掘りの効果は判然とします。滲んで境界がグラデーションになります。綺麗です。その効果を損なわない為にも、鼻盛りは綺麗に仕上げております。
20.03.18
良いの来ました。顔面が要らんなあとか鬱陶しいなあってなるときにオススメです。男性はあんまり経験無いですかね?多分女性はあるはず。化粧は自分の為だけでは無くて、社会性もあって、そこが色々ややこしいよね的なことが、鷲田清一の本に度々出てきます。つまり、化粧という行為を放棄したくても出来ない状況があって、化粧込みで社会での顔が出来てしまっている場合がそれです。その、化粧込みの顔が今日は要らんなあと。そういう日にぴったりです。
モードな服における眼鏡も、こういうのが多いイメージです。人間でない別のものに変えてしまう意図をもって服をデザインするときに、顔が要らんなあと思うのではないかと、勝手に妄想しております。
いつかのブルータスで、マルジェラ特集の小冊子がついていましたが、こんな感じで普通のシャツにデニムで、この眼鏡みたいな異物感を持ってきても面白そうです。今回の眼鏡を見たときに、まずこれが脳裏をよぎりました。
個性なんて今ここで掴みきれる訳がないのですが、安直に、顔面は個性の多くを担っていそうですし、その中でも目の役割は大きそうです。激しく整形した場合等々の思考実験は各自で行って下さい。
それを踏まえますと一層面白いわけで、今回紹介した眼鏡も、マルジェラのモザイクみたいな一眼のサングラスも、目、さらには顔の一部を隠します。パッと思いつく個性は消しちゃうんですけど、多分街に出れば「個性的な眼鏡(サングラス)をしていますね」と、連呼されるはずです。その無意識、無自覚を表出させるということに長けているというところが、何とも小気味良いです。
まあでも、あれこれ抜きにしてカッコ良いです。二眼でFPD74ミリですし、度付きも可能です。
20.03.18
久々に新ネタです。鯖江のメガネの歴史を知るにはうってつけでした。今までのは、広く眼鏡の歴史的な本ばかりでしたから、日本の眼鏡がどう発展してきたのかが不鮮明なままでした。ようやく、それが掴める物が手に入りました。
向かって右は、ほとんど増永眼鏡さんの社史です。鯖江に眼鏡を根付かせた功労者ですから、まあそうなりますよね。この本で新たに感動したのは、眼鏡への打ち込み方です。黎明期の、副業だしこれくらいの出来でいいや感が全く無いことです。それも、よく思いを馳せればそりゃそうなんですけど、よく聞かされる豪雪地帯の副業で、、、というのはあまり当てはまってないですね。私財投入してますし、子どもを職工にしてますし、全部注いでました。それに、第二次世界大戦と1948年の地震を経験していますから、増永さん含めた鯖江の眼鏡の不屈さには心打たれます。
向かって左は、卸組合の本です。なので商売の話ですから数字多めです。裏をとるという意味では、史料的な価値は高めでした。
ホントだと納得したのは、昭和42年の生産種目とその出荷額ですね。その種目ごとの額面よりも、セルとメタルの出荷額の比に驚きでした。なんとなくおっちゃん達からは、当時メタルフレームなんてそうは玉入れしてなくて、ほとんどセルばっかりだったなぁみたいなことを聞いてはいましたが、数字だと想像以上の開きでした。ホントにセルばっかりです。
昭和42年と昭和50年、火まつりが行われています。火まつりとは在庫焼却処分です。昭和42年の第1回目は、およそ3.5万“ダース”の焼却だそうです。
これも面白い項でした。昭和44年に、アメリカ人を呼んで、日本の眼鏡を評価してもらっているみたいです。その論評が笑えます。それこそいま、ヴィンテージ眼鏡のカテゴリーが出来上がったことで、メインで取り扱っていなくとも、お持ち込みでアメリカの50年60年代を触る機会は多々あります。正直、よー言うわという感じです。いい勝負だと思いますよ。
最後は、眼鏡ジャーナルの各号の見出しです。心に刺さったのは、
「アウトサイダーも自覚ある組織を」
ということで、以後気をつけます。
一応、一般公開しない予定です。
20.03.16
今も昔も、ウェイファーラーの角度どうする?問題というのがありまして、この度、失敗覚悟で傾斜を目一杯取ることにチェレンジしてみました。そのご報告です。一応成功はしております。
アジアンフィットやら極東モデルやら、角度や鼻幅を気にかけたタイプも販売しておりますが、何だかんだ通常の15度くらい傾斜のついたタイプもちゃんと見かけます。通常タイプのこの角度が良いんだよね的なことも分かりますけど、おそらくその方は頬に乗っかることが気にならないひとだと思われます。それが気になる、掛け心地も美観も含めてとなりますと、やはり傾斜は取り除かなくてはなりません。
一般的なアプローチとしましては、温めて蝶番を起こすことで、傾斜を減らします。ただ、これが思った以上に起き上がってきません。温め過ぎると、蝶番がガタつきますから、温め不足になりがちです。その結果レンズカーブに従って、元に戻りやすいです。
ということで通常の欧州ウェイファーラーに、不可逆な極東の魂を注入していきます。それが、今回の新ネタです。
先に結果の写真を。レンズ周辺、蝶番周辺を温めずに、大体10度くらいはテンプルを起こせたと思います。奥のテンプルの印字が露わです。それくらい起こせました。
物理的な、単純なイメージから出発するだけです。金具から矢印のように捻りの操作を施して、コマを水平近くに起こします。
順調と思いきや、フロントとテンプルを合わせたときに不具合が生じます。コマが同軸では無くなり、ネジが奥まで締まっていかないという問題です。写真の赤丸のなか、特に最後のコマが外れやすいです。
なので、ここからが新ネタです。ネジ穴切り直してみました。そうすれば、コマパーツは揃っていなくても、ネジ穴はしっかりと締め上げられます。コマがはち切れることもなく、無事に貫通しております。樹脂ネジで、ガタつきも防げました。
角度の除去は成功しましたが、蝶番の合わせがやや不安です。上の半分のみで接するようになりますから、割れやすいかもです。こればっかりは仕方がありません。コマを整え全面で当たるようにすれば、側頭幅が開き過ぎてしまいます。
畳みで比較すると、判然とします。
金属部分を曲げています。これなら時間経過で傾斜が戻ることも無く、ある程度の装用感の向上が期待できそうです。
後はレンズを取るんですけど、毎度毎度あまりにもパツパツで外れず。指が火傷気味なので明日にします。
20.03.14
結構休んでますね的なコメント貰いますが、いつもはちゃんと仕事かそれに準ずる何かで休んでいます。インタラストな休みであって、ファンな休みではないです。
今日、接客していて気づきました。年明けからほとんど街に繰り出さずにいたなと。イケアとユニクロは行きましたけどね。名駅と栄の様子を3ヶ月くらい見ていないです。木曜日は木曜日で年度末のあれこれもありましたし。これはマズいと感じました。何もしてなさ過ぎますね。
ということで、明日は完全なるズル休みします。ファンな休みとります。勘弁してください。
20.03.10
素性が分からないということで持ち込みがありましたが、見事にべっ甲でした。
見分ける手掛かりは沢山ありますけど、磨き切った時の光沢も、やっぱり他と違いますね。いつもアレみたいだなと思います。輪切りのオレンジとかが載ったケーキに被さるコーティングのあれです。変な表現ですし、いまに限った事ではないんですけど、光沢が乾いていない感じがします。セルロイドとの違いは、それが表面だけなのか内奥まで続くのかという感じです。でも私も、格付けチェック的に無記名の状態で並べて当てたことは無いので、やや信憑性に欠けます。
あとは、磨くと確実に分かります。独特な匂いがあります。正しくないかもしれませんが、いつも亀臭いなと思って磨いています。是非みなさんも、本物に出会った時は嗅いでみてください。削りカスが亀臭いです。
中古でお持ち込み。鼻部分に使用感が強くあって、シワが入っていました。その部分だけでもべっ甲の気配が漂っているなと、アテを付けられます。
磨いても使い始めたらすぐにシワが入り始めると思いますが、シワの除去も依頼に含まれておりましたし、気持ちは分からなくもなくて一回はピンピンに戻したいとは思うでしょうから、本気出して鼻部分のくすみを取り除きました。と言うと、いつも本気出してないみたいになっちゃうので、本気の中の本気を注いでみました。