箱をちゃんと見たら…
ヴィンテージのメガネ

20.02.16

同じパターンで、これも3度目の入荷。デモレンズ入ってなかったので、作り直しました。

眉の生地が綺麗です。

表記上、レンズサイズは53ミリにするべきなんですけど、フレームとレンズの隙間が目立つので、54ミリに変更しました。下の茶色は前回入荷分、レンズ幅53ミリです。

エッセルのこの手のフレームは、質感は金張りだよなあと思いつつ、明確な決め手に欠けていました。なので、店頭でも明言を避けていました。

今回と1回目の入荷時に、スリーブがついてきたんですけど、それに書いてありましたね。

1回目の入荷なんて、もう3年前のことです。ということで、ちゃんと初めから箱を見ろって話でした。メッキなのに金張りとして販売していたらアレでしたけど、ふんわりと金張りかもと匂わせ販売をして、結果金張りだったので安心しました。

色違い
ヴィンテージのメガネ

20.02.15

エッセルのarcです。色違いで3度目です。毎回、仕入れの国が違うので、この国もこの国も同じの入れたんだなと、そういうのが掴めるのは面白いです。

でも、今回が一番カッコよかったですね。配色が。メガネとしては掛けづらさも出ているんでしょうけど。金×グレーで、グレーは光沢のある、ビロードみたいな、ブルバキでよく登場するあの生地感です。デモレンズがなく、型板もないので前回の自作の型板からトレースしてレストアしました。張り切って、見本を25%濃度の茶色にしてみました。

サーモント特有のおじちゃん感が薄いです。スペースエイジのとにもかくにもカッコいい感じが付加されています。モード感と呼ばれる感覚の曖昧さと範疇の広さに甘えれば、そのモード感がある気もします。

フロントとテンプルが分断されていないので、とてもダイナミックです。朝ドラのスカーレットで、ある登場人物が芸術に触れると「曲が聞こえる」と台詞で言っていましたが、あれ、何となく共感します。これなんかは、ビューンって頭で鳴ります。この瞬間、ブルバキである私の程度の低さが露見しましたね。ただビューンって。まあ、でもビューンです。

生地の縮みも少なくて良好です。比較すると、色の違いによる軽やかさの差が判然とします。

パーツどり
修理とメンテ

20.02.12

これからパーツをとってくださいと持ち込まれたフレームのネジが死んでいるので、まずネジ抜きから開始でした。

ミゾが超浅いんですよね。たまにアメリカ物でこういう事象があるんですけど、周辺のバフ磨きの際に、ネジ頭も擦っているのでしょうか?ドライバーの先が全く噛まないのに、よくここまで締め込んだなと謎に思います。

分かりにくいんですけど、マイナスの切り込みを作りました。これで抜けると楽です。その後、超音波洗浄と注油をし、温めてドライバーを回しましたが、、、ダメでした。ちゅるんとネジ頭舐めました。

結局、いつものドリルで貫通させて、リーマーで除去しました。

ヴィンテージやっぱり楽しい
ヴィンテージのメガネ

20.02.10

流れ星の尾みたいなディテールですね。それか鳥の羽。いずれにしても、メガネに躍動感をこれほど詰め込めるというのはすごいことですね。感動。フランスのすごさ。敬意を込めて、作業の順番抜かしてレストア。

いっそロエベとかグッチの世界感を借りて、アイビーとかトラッドとかのカチカチの様式の中に軽やかな違和感をねじり込むべく、これはもう自分で使ったろうかなと思ったんですけど、顔面がデカくてメガネから悲鳴が聞こえたのでやめました。テンプルのカシメの位置が割と内側なので、FPD70ミリの割には側頭幅は狭め。

超美しいです。めっちゃ安い表現しか出てこないくらいに。

裏メニュー化
修理とメンテ

20.02.10

これらは加工後。元々の鼻パッドの左右の角度が違ったので、熱加えて曲げてみたんですけど、根元からパリッと折れたので、新しく鼻盛り。今回は、特殊オーダーで当時っぽくしてみました。新しいパッドをのせた後に、削って磨くだけですから、そりゃまあ出来るだろうなとは思って簡単に承けたんですけど、予想より大変でした。今後は裏メニューにします。発動条件はひみつです。

サンニシで気軽に手に入る黒いパッドがこれくらいなので、幅寄せや高さを出すための盛りの部分や、左右対称にかまぼこ状にアーチを描いている箇所を、鼻腔側に向けて削ったり、結構あれこれ時間掛けてみました。

皆さん鋭いですね
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.02.09

実は、先週の水曜日くらいに届いてました。来店が重なってしまうと、それだけで1日終わるので、それは皆さんにとっても不幸ですから、何となくフワッと待っていました。そしたら、いい感じに半分くらいは披露が出来ました。ということで、オーダー下さった皆さん、大変大変お待たせ致しました。まずは完成をご覧いただき、レンズを選びにお越しください。来週までに何もリアクションが無かった方は、ちゃんとこちらより電話しますね。

まだ分かんないんですけど、在庫の補充、特にラウンドの品揃えの強化が出来ないっぽいです。結構作りましたが、全部売れそうです。一度お越し頂いたり、レンズ交換の依頼を下さった方が、事前にご購入の意思表示をして下さったおかげで、店頭に並ばずに消えました。ありがとうございました。また次のロットでお会いしましょう。

また3月くらいに、最終的にどの辺が補充できたのか、ブログにあげるかもしれません。

これのために生きているっていうのは過言なんですけど、そんなことを言ってみたくもなります。

明日は休み
目のことレンズのこと

20.02.03

4日火曜日は、月一回の外回りのため、休みます。

やや遅れて開けます
営業案内

20.02.03

今日は、急遽14時オープンです。

毎度ながら
目のことレンズのこと

20.02.02

迷う事例。

・40歳半ば、緑内障(片眼のみ)、s-4.00くらいの近視。瞳孔間距離63ミリ。

・主訴、夕方くらいに近方が見にくい

緑内障は、10年くらい前から罹患しており、現在は進行を抑えられている状況なので、眼鏡屋としては触れることも出来ない、触れなくても良いことなんですけど、検眼の手立てがかなり減るので、検眼のプランを組むのに一工夫が要ります。あとは、朝昼夜で視力が著しく変動する場合も考えられるので、とりあえずはそこを念頭にあれこれ測ります。

緑内障側の眼の、中心窩周辺の視野が失われており、抑制とかあるのかなと思って、赤レンズテストをしたところ、おぉーなるほど、というご返答。外側が赤で、中らへんが透明ということなので、抑制は起こっていないようでした。だからこそ、緑内障に気づくのは難しいんでしょうね。

精度は落ちるんでしょうけど、おもむろにクロスグリッド(#14B)をしてみたところ、(-0.75)という結果に。これが結構焦る結果でして、必要以上に力を出してピント調節するクセがついてしまっている現れでして、プラス球面処方が真っ先に思いつきます。

オートレフで-4.25や-4.50あたりで、赤緑やりながら何となく-4.00で決着をつけている感じが歴代の処方度数から伺えるわけですが、そこからさらに+0.75は確定で処方したいところです。それに、過去のメガネの光学中心の距離を測りますと、短くて60ミリくらいで制作されていました。瞳孔間距離との差異から、1.2△B.Oが発生しております。それも力を抜くことを妨げる要因です。これも取り除く必要があります。

で、ここからが迷うわけです。何にか。他の使い分ける予定のメガネ達との関係です。良くも悪くも、度数の変更がそれなりに劇的であれば、違和感や慣れるまでに頭痛を経験したりします。とくに今回は、休日用のメガネという立ち位置ですから、他のメガネ達の方が掛けている時間が長く、さらに頻度も高いです。脳は、新しい処方を毎回異物として認識しそうな気配がプンプンです。ということで、いつも着地に迷います。

理想は、まずは仕事用を変えて、慣れたタイミングで休日用にも新処方を組み込むとかですね。

大和魂注入
ヴィンテージのメガネ

20.01.31

イタリアのインジェクションフレーム。めちゃくちゃ処理が甘くて、おもちゃ感が強すぎるんですけど、何故か良いです。妙に良いです。

モナカのあとがくっきりと。ベトナム戦争のあたりに、日本も結構こんな感じのインジェクションフレームを作っている気がします。たまに骨董市で見かけます。アメリカに、安価なサングラスとして出していたんですかね。あれに近い、皆さんとあれが共有できていないか、まあそれに似た良さです。素朴ともまた違う、チープの一言で片付けたく無い、そういう良さです。

イタリアのネジがとにかく弱いです。触ると、毎回そう思うので、弱いんでしょう。どこの国もこの辺りの年代はそれなりに弱いんですけどね。今回も、しかも両腕とも、ちょっとひねっただけで、マイナスの頭がパチっと飛びました。ネジ抜きからレストアを始めています。

今回は、タップを1.7ミリで切りなおしました。元のネジ穴は、ネジ径もイマイチ定まらず、ピッチも今の日本の規格と異なり、結果締め上げがイマイチで、蝶番のガタつきが著しいので。とにかくそれを解消することを目指しました。

ナットで共締するため、まずは下からネジを突き出す為にも7.0ミリ丈のネジを探しましたが、プラスの頭しか見つからず、こんな感じに仕上がりました。使えることが大事なんで、こういう時はプラスネジで大和魂の注入です。イタリアのね、イタリアのメガネの、そのネジ穴にだね、日本のプラスネジを、日本の魂そのもののようなネジをだね、思いっきり差し込んでやるんですよ。メガネって、そういうもんですよ。いや、違いますね。

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