実は気球のアレは、こんな紙が排出されています。なんのこっちゃサッパリです。視力で記述されず、被検者が欲しそうな度数で記述された紙がペロンと出ます。赤丸の部分はあったりなかったり。眼鏡屋でも、あった方が良いです。
眼科さんで、“不同視っぽいから眼鏡作った方が良いよ”的なアナウンスがあり、お越し頂きました。不同視というのは、左右の視力差が著しい場合を指します。さまざまな流派があるので何とも言いにくいですが、おおよそ度数で1.50くらい離れているときに、不同視を怪しんでいます。
あの紙によると、左右の度数差はおよそ1.00、全乱視は左右とも180度付近で1.00以下。「メガネを作りなさい」では無くて、「あったら良いな」くらいに留まって眼科処方が出なかったのは、おそらく不同視の定義範囲外とデータを読み取ったからだと思われます。全乱視も、値としては軽度です。あとは、両眼での視力が1.0なのが大きいでしょう。しかし、視力だけでは視覚の健全さを指し示していないことに注意しなくてはなりません。視力の高さと視覚の良さは必ずしも一致しません。
左右とも、角膜乱視が2.00付近で遠視気味、角膜は同じくらいの屈折力。ちなみに16歳でピント調節が直ぐに介入してしまう年頃です。あの紙と、(遠方)視力1.0という情報ではそれなりに健康な眼だなと思っちゃいそうでしたが、やはり両眼視異常でした。
年末に投入してからご新規さんも常連さんにも大体試して頂いている「ステレオバタフライ」、あの蝶々が浮いて見える本で確認したところ、蝶々が見えないとの返答でした。内心、焦りMAXです。つまり、片眼の抑制が起こっておりまして、近方での立体感が0でした。ちなみに遠方での立体視は可能です。
近くを見るときの眼を観察し、原因が分かりました。近方視で左眼が外転(寄らずに外に逃げちゃう)していました。やはり、調節障害が起こっていそうです。抑制の程度が軽そうなこと、年齢が若いこと等の諸条件より、回復を目指します。実際、検眼後の仮枠チェックで蝶々が見えそうな兆しがありましたので、これから2人3脚での矯正が始まりそうです。
私の問診が、もっと的確なら早く気付けたと思います。全部終わって帰るまえ、最後の最後に両眼視異常から生じていそうな症状がありました。これを初めから引き出せていれば…。
それは、「異常に眠い」です。夜早く寝ても、朝でも集中すると眠くなるという症状です。お客さんからすれば、眠いからメガネ作ろうとはなりませんし、眠さの全てが眼の所為でもありませんから、判明しにくい・特定しにくいケースです。抑制が起こっている場合に訴えられる症状の1つです。
眠さは他人とは比較出来ないので、主訴になり難いです。被検者から要望として眠さを軽減したい等と、なかなか出てきません。私もステレオテストが無ければ気づけ無かったので危なかったです。