絵本
目のことレンズのこと

19.02.06

ようやく買いました。ステレオテストです。これだけでは意味が無くて、偏光グラスを掛けてこの絵本をみますと、あれこれ飛び出て見えます。結構なお値段なんですけど、日々、様々な欲望に負けそうになりつつある自分に喝を入れるため、まずは財布にダメージを与え鎮静化しました。そういえば昨日か一昨日のどっちかはブルバキ三周年だったはずなので、自分におめでとう的な意味も込めて買ってみました。

検眼しながら、いつも考えていたことがありました。視力(輪っかがどれくらい見えるか?=最小分離閾)ではなくて、視覚(眼で光を受け、脳みそで処理されるまでを考慮)を重視する検眼、および矯正といいつつも、いまいち検者と被検者の双方が改善(ないしその兆し)をパッと実感出来る方法が無いなと感じていました。本当の意味での矯正をする場合、整体とかのボキッと痛みを伴うことがやはり眼でもある場合があります。分かってて処方して、初めは辛いですよ的なことをお伝えしてお渡ししますが、お互いあれやこれや不安です。例えばお客さんにも、頑張るモチベーションになる指標があれば、慣れて良いのかな?というような不安もなく矯正に集中し、最終的には視覚の心地よさを手に出来るのでは無いかなと考えていたところに、この絵本が視界に飛び込んできました。

『基礎両眼視 -基礎から臨床応用- 改定増補版 関 真司著 興隆出版 2013年 p.117』

そこで、なんで立体視かと申しますと両眼で見ることの3段階の分類がありまして、両眼視の最上に立体視が位置付けられているからです。両眼を開けて見ている、両眼を開けて一つに見えている、そこまで達成できると、立体感が得られます。それでいて眼と脳の連携が取れていて負担が少ないのかどうなんだということが、立体感がどの程度得られているかで把握出来ないかなと思った訳です。

もちろん、器質とか成長の過程等々で、そもそも立体視が不得意という場合もあるのでしょうが、立体的に見えるステージが増えたということが観測できれば、新しい処方を掛け続ける意味が、その点に於いてはあるということになります。あとは従来通りRGバーテストの活用で、とくに左右のどちらの眼の信号が弱いかなというのは引き続き調べていきます。

とりあえず今は、お客さんに試しまくっていますので、お付き合いください。ご興味ある方もお待ちしております。結構面白いですよ。

また、これは店頭でお話しをしていますが、遠近感とは別です。

2日の土曜日は休み、3日の日曜日は営業します
営業案内

19.02.01

題名の通りです。急遽、明日を休みにします。日曜日は、通常営業します。よろしくお願い致します。

表情
ヴィンテージのメガネ

19.01.29

日本の名無しのフレームです。このカテゴリーは、全くブランド化する気配がありません。つまりは各人に、発見と未知との遭遇の面白さが残されているゾーンだと思っています。

素材はサンプラチナです。

サンプラチナであれば、全部良いってわけでは無いです。例えば服でいえば、ウールの表情なんて表現をします。つまり、ウールで作っていれば、全部良いってもんじゃ無いということが表されています。さらに表情が大事なんですから。

それを借りれば、金属にも表情があります。あると思います。表情が硬いからといって表情が無い訳ではありませんし、柔らかい方に比べて豊かではない訳でもありません。脱線すると、感情が豊かではない訳でもありません。むしろ表情が硬い方が、内に溜め込んでいるだけで、感情や感受性が豊かなのかもしれません。

戻しますが、そんな感じで今回のこのフレームは豊かで良いと思っています。正面やブリッジもそうですが、とくに見応えがあるのは智の部分です。

お店では話しましたが、これです。ここがどう良くてみたいな話は長いですしご購入者特典なので省きますが、まずはこれが刻印無しの無名ということだけでも感銘を受けます。

超特急
修理とメンテ

19.01.29

鼻盛りです。今回のトムフォードは相当慎重に鼻盛りを行わなくてはいけません。トップの画像から分かるのは、上半分がつや消しになっております。ちょっとでも何かをかすったりゴリゴリしたら終わりです。お腹が痛い…。

新品でお店でご購入、レンズを枠入れするのに1週間待ったそうですがやはり鼻が合わず、本日こちらに持ち込んで頂きました。確かに今回のフレームは、ブリッジが表記で17ミリでやや狭いとはいえ、実際は鼻骨底部付近はやはり広めのフレームです。ちなみに光学上の表記でブリッジ幅17ミリでして、それはレンズとレンズを一番近い部分で結んだ距離です。あとは、高さが無いのでまつ毛がバシバシ当たるっぽいです。

今週金曜日までということなので、特別に急ぎです。確かに、レンズ入れるのに1週間待って月曜日に受け取ったら、さて今週の土日は、それを掛けてどこに行こうか?みたいなことを私だったら考えています。ここで1週間、さらにお預けされるのは嫌だというのはとてもよく分かります。休みと自分の掛けて行きたいシチュエーションが重ならない場合もありますから。今週がたまたま一致するみたいな時がありますからね。

また、得体の知れないメガネ屋に対して、初めから終わりまで敬意を払って頂き大変恐縮だったというのも急ぐ理由です。

というわけで、つや消しのフレームで一切の小傷も許されない慎重さが要求される状況で特急です。さらにお腹が痛いです。

とりあえず接地面を準備できました。棒ヤスリで削る際は、出っ張っていて傷が入りやすいブリッジ部分をティッシュで包み、傷を回避しています。

接着剤も垂れず、無事に乗せることができました。あとは一日乾かして、ミニルーターで磨くのみです。ただ、ルーターの取り付け部分がギザギザなので、まだまだ安心出来ないです。

新作なのでしょうか。このタイプがこれからメガネがズレて下がりやすい夏に向けて、続々と来るとなると怖いですね。

乾燥
ヴィンテージのメガネ

19.01.29

俗に言う、40’s franceないしフレンチヴィンテージです。お持ち込みでした。枠入れと鼻盛りです。

写真では分かりにくいですが、右のフロントと鼻盛りパッドの接地面に、ヒビが入っています。鼻パッドの下、フロントの中に皺が入っていますので、接着剤を塗布した後にヒビが入ったと思われます。

今まで無かったケースですが、そういえばこの2週間ほど前にも、この界隈のフレームで鼻盛りをした際に、内部にヒビが出来ました。使用上は、そのヒビに対して接着剤が染み込みますし、上から乗せた鼻パッドがジョイントの役割を果しますし、リム切れ等々は起こさないとは思います。ただし、不安ではあります。今年の乾燥が関係でもしているのでしょうか?

他の年代のヴィンテージでは、今のところその症状は無いです。現行品の鼻盛りも相変わらず多いですが、同じような症状は見受けられません。

実際にフレームを触り、メガネとちゃんと関わってきますと、特にヴィンテージ品ですが、状態として完璧ということが稀だなとつくづく感じます。稀といいますか、存在しないのかもしれません。ヴィンテージは上質で最高峰ではなくて、ただ単に何となくカッコいいくらいの方が、捉え方としては正しいような気もしてきます。


明日から3日間休みます
営業案内

19.01.22

事前の告知通り、明日水曜日から金曜日は休みます。ちゃんとメガネの為に休みます。また土曜日にお待ちしております。

ちなみに、先週は修理等々難しい案件が重なって時間を掛けたことと、ありがたいことに接客が続きましたので、仕事が溜まっています。溜まっているのに、20時半過ぎに鳥のブログを書いていたので、やっぱり片付かずに溜まっています。

休みとしつつ、17時以降なら店に戻って加工をしている可能性もあります。緊急のときは店に電話していただければ。繋がればいます。よろしくお願い致します。

あれと同じフロアで買えます
雑記

19.01.22

水飲み鳥を買いました。名駅のハンズの10階で買えます。同じ階で、あのチョコのイベントが開催されております。あの列の長さを目の当たりにして、ただただ羨ましくなりました。あれと比較したら、ブルバキは暇の極みです。

現在も、これが新品で買えるということに驚き、衝動買いしました。昔から営業しているお店のディスプレイで、たまに干からびていたりします。それで何となく見たような記憶があったのかもしれません。

まじまじと店で観察しますと、シンプルなデザインの極みであることに感動します。まさにこれがシンプルということか!と、一人で納得していました。さまざまな物理法則・現象が、この一体で無駄なく可視化されています。そしてそれは、柳宗理が要にしていた「親しみやすさ」に溢れています。完璧です。確かにかわいいなと、無限に見続けられますからね。

何より電池が要らず、水だけで反復運動し続けるというのも驚異的です。ウィキペディアで調べますと、原理等々詳しく解説されております。面白いです。

話が飛びますが、「過不足ない」みたいなことがシンプルさに通じているのかもしれません。以前にご紹介したような、例えば耳にかける部分が細いフレームを見たときに、一般的にはシンプルなデザインと称されると思います。それで良いんですけど、なんかこう、その表現ではしっくりこないところもありまして、そんなことを考えていた時に、この鳥がハンズで水を飲んでいる光景が目に飛び込んできました。

この鳥が水を飲むのを眺めて感じたのが、その過不足なくということでした。変な表現ですが、多くの物は削ぎ落とすという装飾が施されているという感じがするわけでして、鳥のおかげで、自分の実感に自分なりに説明がつきました。

土日も通常通りです
営業案内

19.01.18

何だかんだ、先週の3連休は忙しく、週明けも直しやら何やらで何も更新せずにいました。ですが、土日も通常通り開けられるペースに戻りました。いつも通り、お待ちしております。

Amor
ヴィンテージのメガネ

19.01.18

レストア完了です。在庫移動を繰り返す内に出来たであろう、ブリッジ部分のスレが著しく、ベースの金属が露出しております。在庫化を諦めるには勿体ないデザイン、さらにはレンズサイズとブリッジ幅でしたので、あれこれ理解して頂けそうな方だけに披露していました。この度売れました。

フロントの角度、つまりは傾斜がカッコいい為、高さが出やすい鼻盛りパッドを使用し、頬に当たりにくいようにしております。ちょっと上がった目尻の感じと、横から見たときのシャープさが綺麗です。

蝶番の作りが非常にミニマルです。掛けたときの上品さは、このパーツがゴツく無いからでしょうね。

先セルは、掛けやすさを大事にするためにも交換しました。エッセルのナイロールフレームもそうですが、フランスのフレームの初期装備の先セルは、細い場合が多々です。それは美的感覚からなのか、フィッティングの理論が曖昧で何となくそうなったのか判然としませんが、大概細いです。

(これが初期装備です)

今回はテンプル長145ミリでしたが、135ミリに変更の為、交換のついでにテンプルのカットも致しました。長過ぎますと、乳様突起に触れて痛みが走ります。それはそれでダメだったりします。

フレーム全体のシュッと感が減りますが、掛ければ耳の部分は髪で隠れますし、しょうがないと思います。先セル交換は苦手ですが、まあまあ頑張ってウネウネせずに差し込んでいます。

鼻盛りはこんな感じです。セルのネジ穴も拡張して、ネジと生地が干渉しないようにしております。

パーフェクトコンディションで出てきた物より、相当手を施しているわけですが、もちろん価格としては落とさざるを得ないわけですし、心情としても落とすべきと思っています。それでもこの古物あるあるは複雑な気分ですね。好きじゃないと出来ないと言われればそうかもしれません。

ネジ頭切り
ヴィンテージのメガネ

19.01.11

ネジに関しては、オリジナルだからといって、特に良いことは無いです。加工する度に、つくづくそう感じています。なので、ちょっとでも弱っているネジがあれば、長く使えるようにするためにも現代の日本のネジを挿しています。頭がプラスになってしまうので、美観の点でマイナスなのは仕方がないことだと考えております。

超音波洗浄して、いつも通りゆっくり回しましたが、一発でネジを舐めました。デッドストックでもこんな感じです。さらに念には念をで、ネジ周辺を温めておくべきだったかなと反省。

今回は、サーモントの中身のリムネジでした。ドリルもニードルも入らないので、ちっさいカッターみたいな物でマイナスの頭を作り直します。割とこれで作る頭も舐めやすいと感じていますので、うまく抜けて本当に安心しました。

これより最悪のケースですと、ネジの頭がポロッと取れる場合ですね。メタルフレームも油断は出来ませんし、届いてからもあれこれやる事は多いです。

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