カテゴリー:修理とメンテ

進行中
修理とメンテ

21.05.17

とりあえず、本番が届く前にCRで習作です。お持ち込みで、ALGHAのリムウェイでした。

変更後の輪郭がわかりやすい用に、うっすいピンクレンズにしました。元が、それこそめっちゃ垂れ目感のあるティアドロップの54サイズです。今回はヘキサゴナル(レイバンでこんな感じでこの玉型を表現したはず)にしました。30年代のフレームでもよくやる玉型ですし。カッコいいですよね。

一応「50 RIMWAY」と表記されているので、ピンクの習作も一旦50ミリにして作っています。

ちなみにこのピンク、予想以上に良いですね。アリアーテでは無いです。

試行錯誤
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21.04.20

木のケースの続き。

特に塗装も何もしていない山桜のケースです。再掲します。

これが初期値です。削りたてなので、表面がカサついています。使っていくごとにしっとり感が出ますけど、ヴィンテージとかアンティークとかの風合いに慣れ親しんでいますと、ここからの距離が遠すぎて本当に味がでるのかイメージが湧きにくいのも確かです。

ということで、ドーピングしてみます。これに塗り込んでいきます。

店の水屋箪笥は、ワトコとかブライワックスとかいう、オイル系でしっとり感と色の調子を整えました。今回もそうしよかなと思っていましたが、ちょっと足される風合いがファット過ぎる気がしまして、あれこれ探しまして、今回は蜜蝋にしてみました。

これを使ってみました。革のラナパーはしょっちゅう使うのですが、アマゾンを徘徊して木工用なる物を見つけました。

見た目も綺麗です。見た目通りのサラッと感があります。

塗ってすぐがこんな感じです。

一回の使用量はこんな感じです。もっと少なくても良かったかもです。よく伸びます。

乾拭きして比較です。気に入ったので、実はもう一個ケースを仕入れしてから塗っています。比較も出来ますしね。

つい、重くて大っきい方が高いみたいな感覚を覚えてしまいがちですが、私なんかは往々にしてそうなんですけど、このケースには塗りの汁椀みたいな美意識が組み込まれていて、その逆を良しとしています。中のくり抜きが多めで軽いです。ギリギリまで攻めている気がします。

中のスペースが広いお陰で、割とゴツいメガネも収納できるところもミソですね。最後は車の宣伝文句みたいになってしまいました。

鼻盛り例
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21.04.09

久々にのせます。

タートのアーネルです。相変わらず多いですね。むしろ年々お持ち込みが増えている気がします。

特にこのタイプは、真ん中の抜けが大事なので極力小さめのパーツで、でも最大限寄せて上げることを目指します。あとは、たくさん磨いて滑らかな面をたくさん作って、フレームの持ち味を崩さないことは注意しています。

これもそうですが、鼻幅26ミリをある程度何とかするという依頼が増えています。想像するに、激戦区の鼻幅22・24ミリ辺りはすごいんでしょうね。

教えて下さりありがとうございます
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21.03.29

耐磁ピンセット最高でした。ノミネジのときに威力抜群です。つかみ放題です。

テクニシャンも同様みたいです
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21.03.29

いまの状況を鑑みますと、DITAのマックスピティオンの復刻は早かったですね。今になって欲しいなという方も多いでしょうね。あれこれ似たような物も出てきているしで、復刻の中でも復刻の元祖つまりは準本物みたいな感じになってます。

磨き後
磨き前
磨き後
磨き前(撮る方向間違えました)
磨き後
磨き前

とにかく、面を意識してそこが崩れないように気をつけて磨いています。中古のお持ち込みでした。この辺も、無くなるとすごい値段になるんですね。頑張って綺麗にして、デッドストックに負けないように仕上げてみました。

元のイメージを保持しつつ、程よく鼻幅が縮まっています。テンプルが細くて曲げ点をちゃんと決めることが可能です。ヘビーなフロントでもフィッティングがしっかり実現できるところが眼鏡としてのポイント高しです。

今回の中古は、残念ながらテンプルだけヒビが若干残っています。フィッティングで完全に亀裂が入るのかどうかは不明です。フィッティングをして、亀裂が入り切らないのであれば、ヤスリでヒビの部分を落としてツルピンにすることも可能です。

ちなみに、politicianは英語の綴りでフランス語綴りはpoliticienでした。政治家がフランス語でポリティシャンじゃなかったら危ないところでした。

日本製のおかげ
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21.03.17

クロムハーツですね。日本製のおかげで、あれこれメンテがしやすいので助かります。

おそらく前のレンズの枠入れの段階で、結構引っ掻いていたようです。私の仕事と思われても嫌なので、普通のアセテートですし削ってラインを整えて、これから磨きます。

ゴツいパーツが付いています。ここが銀ですね。フロント側はステンレスのコマっぽいです。

テンプルにパタパタの症状があります。ネジを閉めても直らない場合は、無理しない方がよいです。プラスネジはナメやすいですから。ネジの緩みとは別に問題があります。

今回はヒンジにワッシャーが噛んでいまして、それか土台のどちらかの摩耗でした。これの交換も、日本製の日本の規格のパーツなので簡単です。助かります。

普通の段付きワッシャーです。厚みを0.1ミリから0.15ミリに変更しています。そうすることで、ネジが閉まりきる手応えを得られます。パタパタが解消されます。

あとは、最近のクロムハーツの眼鏡も、樹脂が巻きついたレッドネジが差してありました。緩みにくいネジです。そこで今回はついでにそれに差し替えています。

レンズが届いたら枠入れです。枠入れ前の準備の方が、作業時間としては長いかもです。

フランス物はこうやってこうです
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21.03.17

70年代のフランスのです。今っぽい多角形です。そもそも今が、ヴィンテージの流れを汲んで多角形を出し始めたんですかね。今の多角形系の元ネタと言う方が良いかもです。まあ、どっちでも良いことですね。

金張りがどうのこうのとか、この時代のフランスのエスプリがどうのこうのは、おそらくネット上に数多散見しておるはずなので割愛です。

この年代のこの手のフレームあるあるです。今の日本のフレームの規格のような鼻パッドの角度・向きに合わせることが販売側に求められます。フィッティング前のスタートラインに立たせるのに苦労します。そうしないと、お客さんが楽に掛けられないので。

(パッド面を上に広い、逆ハの字に直した後です。たまに、今回のもでしたが、八の字になっているときがあります。どういう鼻が顔面に付いている想定なんだ??と、突っ込みたくなります。)

とりあえず、これくらいで顔に乗りはじめると思います。あとは本番のフィッティングで触ればよいです。

あと困るのは、大体テンプルが謎に短いです。現行の先セルで伸ばしてあげると、男の人は掛けられるようになると思います。

クリアのタイプもあります。今回は、ガラスのブラウンのレンズに合わせて、クリアブラウンの先セルを選択しました。変色が気になりにくいのがミソです。

ここに流れ着きました
修理とメンテ

21.03.17

タートのアンバーの44□22でした。お持ち込みだったんですけど、値段が値段なので、流石に緊張します。

プラス度数を所望で、非球面でも4カーブくらいです。リム曲げたくないなぁということで、レンズの切削でなんとかしました。ヤゲンのレイアウトを変えて、頑張って2カーブまで落としてはめ込んでいます。

リムが曲がってフロントが縮こまると、後のフィッティングが大変です。コマから削って側頭幅を稼ぐときに、削る量が増えるのでフロントは真っ直ぐでいて欲しいというのは、こちら側としてもあります。お客さんとしても、出来るだけあれこれ触りたくないでしょうしね。

早く着手出来て良かったです。初めのプラのデモレンズが、緩く入れてあるということだったんですけど、微妙に違うっぽかったので。リムとレンズの間を透かすと隙間が見えている為にそうっぽく見えましたが、実際はリムに対してレンズの形が合っていないだけでした。尚且つ片当たりしている状況は、点でリムを内側から押すので、不要な力が加わりやすいです。

左が当店で磨き後、右はお持ち込み時。右も傷の上から光沢が出ている感じはするので、ミニルーターで磨いているとは思います。どれくらい傷を消すかというのも難しい話ですが、ヴィンテージの生地の光沢は云々…を味わってみるには、まず真っさらが良いかなとは思っています。

卵甲
修理とメンテ

21.03.03

前もガラスレンズの枠入れで扱ったフレームです。今回は、お客さんが家で鼻パッドをいじいじしてパッド足を折ってしまったということでした。工場にてレーザー溶接出しています。早くて綺麗です。

よく分からないですけど確かに素人玄人抜きにしてピピッとタッチするくらいでメキッと嫌な音がして折れることもあります。とにかく、パッド足のお触りは難しいです。

今回、着目は別にありましてパッドいい感じじゃないですか?と、そこがメインです。ヴィンテージのフレームですけど、修理で風合いが崩れていないと思いました。どうでしょう。

1回目のお持ち込みの段階で、すでに箱のパッドに取り替え&フルメッキの修理済み品でした。それで今回の修理はそれをもう一回付け直すという、そのままではお客さんにとってはテンションの上がりきらない修理です。なので、ネジ類を全部マイナスに変えて、パッドもそれっぽいのに変えて元のセッティングに近づけておきました。これは擬似鼈甲である卵甲の擬似です。プラスチックパッドの卵甲カラーです。

箱のネジと、眉パーツの固定するネジが既存の修理でプラスに変更された状態で私のところに来ています。私も、物として維持が難しそうであれば積極的にタップ切ったりネジの長さを自前で整えたりしながら、現代の強いネジに変えてしまいがちです。ただし、何となくマイナスネジの方がカッコいいよねという感覚は同じく持っていますので、出来るだけまずマイナスで探し、無ければプラスで直しています。残念ながら、日本はやっぱりプラスネジの方が種類も長さも素材も豊富です。

眉の止めるネジ周りには、AOの場合シリコンのチューブみたいな物がささっています。そういえばツーポの段付きポリカワッシャーがピッタリでした。ちょっとゴツく出っ張りますけど、良さそうなのでこれからそう直します。

パーツメーカーの一般供給品の場合、抱きのパッド・はめ殺しのパッドの種類は少なくプラスチック部分の色味は透明1択です。今回の修理を見まして、それならいっそ箱パッドにしてチタンパッドの装着も良しですし、この卵甲カラーのプラスチックパッドの装着もいいなと思いました。

ただこの卵甲カラーはやや危険です。なにが危険かと申しますと、業界人の私ですら同じ業界の人に「パッド黄色くないっすか?」と言われたことがあります。ですから、汚くて古くて黄色いと思われてしまうこともあります。場所が変わると評価が一変する可能性はありますが、個人的には大好きですね。

初お持ち込み
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21.02.16

ギュパールのお持ち込み。電話でもフラットレンズ入れれますか的なお問い合わせ増えたんで、そろそろかなと思っていましたが何だかんだようやくです。

ガラスのフラット入れています。削りの粗なのかフラットのプラスチックを入れる際の加熱のし過ぎでたるくなったのか、今回のお持ち込みは初めからリム周りがふにゃっとなっていたので、その辺も修正をしています。

リムのぐるりは#600からスタートして整えています。それで、角を残した磨き云々が大事みたいな話のはずなので、フロント面の歪みもサッと取っています。なんて言えばいいのか表現に困りますが、xyzの軸を意識して磨いてこんな感じです。ここからバフをかけて艶を出し、パコッと枠入れするとトップの写真のようになります。

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