ツーブリッジ
ヴィンテージのメガネ

17.11.11

ローデンストックのツーブリッジが入りました。中央産業貿易が引っ張っていた時代です。

鼻パッドが、箱型ではなくて輪っか状です。これだと、現在一般てきな箱タイプよりもスッキリ見えます。可動の範囲は箱タイプのまま、カシメや抱きかかえ型のパッドの見た目でカッコいいです。加えて、汚れが溜まりにくいという、実用性も兼ね備えています。個人的に、一番好きな鼻パッドの形状です。

まさか、ローデンの特許だったんですね。だからどこも再現しないのか、残念。

お客さんのメガネ
ヴィンテージのメガネ

17.11.08

街で芸能人を見かけたら、写真撮りたくなると思います。それに近い感覚です。記念撮影です。

お渡し前なので、暗闇で分かりにくくしております。やっぱりカッコいいです。この辺りは、今後もやらないのか、そのうちやるのか不明です。

ガラス1.52のノンコートを嵌めました。プラス度数なので、外径指定でギリギリまで詰めて、厚みは削ぎ落としました。

ガラスも、屈折率をあげて薄くすれば良いってものでは無いです。それはプラスチックの場合と同様です。あとは、比重の問題があります。ガラスの1.70以降はそこそこ重いので、削れる厚みと全体の重量の変化に気を配らなくてはなりません。つまり、削れる量が少ない場合、金額は高くなり、厚みが減って、重くなる場合があります。

今回は若干のプラス度数なので、1.52を選択しました。1.60と比重はほとんど変わりませんが、アッベ数に差が出ます。アッベ数59の使いやすさを、他のプラのレンズと比較してもらう意図が込められています。

カールトン風
ヴィンテージのメガネ

17.11.07

あくまでも、カールトン風です。レンズサイズ58ミリ。やや大ぶりです。

これくらいレンズが大きければ、濃いめのカラーを入れても、レンズがちっちゃく見え無いと思います。日本のメガネにしては珍しく傾斜がしっかりついていて、本家を見習っているところに好感を持てます。傾斜はキツイですが、足つきの鼻パッドがしっかり稼働できるタイプなので、頬に打ち当たらないように出来るのもポイントが高いです。

開散
目のことレンズのこと

17.11.07

アイパッドで書いていますが、開散が一発で変換候補として出ないですね。解散ではなくて、開散について。寄り目から目を戻す、目を開く動作を指します。

私は番組を観ていませんので何とも判別出来ませんが、どうやら朝の番組で「スマホ老眼」の話題があったようですね。

解決策として、

「100均の s+2.00 の老眼を、5分掛けてぼーっとする」

が提案されていたみたいです。屈折系に対して弛緩させるというアプローチです。ただ、問題はそれだけでは無いです。冒頭の開散の問題、つまり目がニュートラルに戻りにくくなっているということも、そういった仮性の老眼に関与しています。

お医者さんの提案なので、もちろん反論は致しませんが、光学的な事実に関してだけ。

安く買える既成老眼の、光学中心がどこにあるのかが、心配な点としてあります。基本は手元用として販売しますので、光学中心の距離は短く取っており、そうそう問題は無いと思いますけど…。長いと心配です。フレームの中心で芯取りしてある場合等々です。

自分の目と目の距離(以降PD)に対して、その光学中心間の距離が長い場合、老眼のような凸レンズですとベースアウトプリズムが発生します。これは、目を内側に寄せる作用が出ます。そして、目を寄せる(輻輳)ことと、目の調節(ピントを手前に合わせる作用)は生理的に連動しております。

つまり、掛けると目の力が弛緩しない状況が発生するかもしれません。むしろその逆が発生する可能性もあります。そもそも、この方法は解決策というよりは応急処置ですしね。とりあえずいいメガネを作りましょうくらいのことを、眼鏡屋としては言って欲しかったところです。

ダダ
雑記

17.11.06

中原中也から、ダダに流れています。そもそもダダを曖昧にしか知らないこともあって、しっかりとあの詩に共感できなかったので調べることにしています。

「ダダ 芸術と反芸術 ハンス・リヒター著 針生一郎訳 美術出版社 1966年」

もっと虚無的な、諦めを伴うものかと勝手に思っていましたが、全然違いました。対立するものを融かしあうのか、昇華させるのか、まだその違いは読み取れていないです。いずれにせよ、まだ本は途中ですが、「やーめたっ」という感じは受けていません。さらにここからという思想なんですね。

P.64の「…ダダは自然と同様に無意味なのだ。」という箇所、無意味であることと無価値であることを混同せずに述べている部分、簡潔でグッときます。

度数s-9.00くらい
ヴィンテージのメガネ

17.11.05

お客さんのメガネ。

S-9.00くらいなので、さすがに屈折率1.74を搭載しました。

ほぼ FPD=PD なので、厚い部分が上手い具合に処理できたと思います。後は、レンズ後面の面取りを多めに、鏡面加工してあげればちゃんと収まり良くなりました。

カットリム
メガネのはなし

17.11.05

いつか書いた、カットリムのフレームが入りました。ローデンです。

レンズを囲うリム線が、扁平ではなくて三角形で凸です。リムにボリュームがあって、多少度数が強くてもレンズがはみ出しにくいです。

サーモントのメガネは野暮ったくなりがちですが、これは別格でした。

レストア頑張ります
ヴィンテージのメガネ

17.11.03

外箱通りでは無いので、ローデンやら増永がたくさん入った訳ではありませんが、それなりの数がデッドストックで入りました。順次綺麗にしていきます。

参考値
メガネのはなし

17.10.31

思いついたので何となく書きとめておきます。内容は、高校の三角比の導入のところくらいの話です。

レンズサイズに関連しての話です。

ところで50年代周辺のメガネは、どれくらいテンプルを開けばいいのか、はたまたどれくらい開くことが、フレームを見た段階で予想されるのか。感覚で、いつもヤスリでバチっと開いていましたが、簡単なことですし数値として出してみました。

参考サイズは、44◽︎22です。値段が付きやすいサイズでしょうね。メガネ専門では無い場合は、このボクシング表記ではなく、フロント横幅125ミリ〜130ミリ程度という表記になっているのではないでしょうか?レンズ端同士を結ぶ距離が110ミリ、智の部分がそれぞれおおよそ10ミリはみ出して合計130ミリという感じでしょう。

テンプルがフロントに対して垂直に伸びている場合、耳にかける部分同士の距離は当然130ミリです。では130ミリで幅は足りるのかと申しますと、まず足らないです。よっぽど顔の小さい女性でも、側頭幅140ミリくらいでしょうね。

日本人の男の場合は160ミリくらいが、側頭幅の平均です。つまり、開き幅が30ミリ足りません。では、その幅を稼ぐにはどれくらい(角度)開くのかを調べてみます。

鼻梁に対して、顔幅が左右対称と仮定します。あとはコサインの定義だけでわかります。結果は、片手およそ8°でした。ただし、テンプルの智から耳の頂点までの長さ(曲げる手前のポイントまで)は、一般的な110ミリとして用いました。同じ条件で、側頭幅を170ミリと仮定しますと、おおよそ10°という結果でした。だいたい、10°くらい開いといたら良いってことですね。

ただし、これは頭部形状を無視した理想状態の話です。実際は、こめかみが張っていて、側頭幅よりも広げてあげないとテンプルが顔に干渉します。より角度をつけて広げないと、綺麗に顔に掛からないです。分度器の10°を見ながらこれを綴っていますが、私の実感としては、毎度12°〜15°くらい開いている気もします。

その開いているメガネが、自分なりに納得出来るかどうかという話です。目に対してジャストが好みなのか、ある程度まっすぐなテンプルで綺麗に掛かっている方が好きなのか、どっちが正しいということも無いと思います。フロントと顔幅のバランスももちろんあります。美観だけではなく、光学的な要素も加味すると、もっとなんとも言えない状況になります。

メガネがどのように掛かっているのか仕組みが分かるにつれて、レンズが大きくなり、フロントで側頭幅分を稼ごうとした時代の流れがあり、それはレンズの素材の進歩とシンクロしていたと思われます。今は逆に、クラシック調の時代です。レンズを小さくし、削ったフロントの全長を補うべく、βチタンのような、しなやかな素材で掛け心地をカバーしています。心地というのがミソで、メガネを頭部に留めるには、いくらしなやかな素材のフレームでもフィッティングが必要です。

ちょっと話が逸れましたが、それぞれのサイズ感にそれぞれの良さがあります。どういう風に自分のイメージをもっていくか、それによって変わると思います。

38ミリ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

17.10.30

おかげさまで、SPMの丸38ミリを定番で置くことが出来ました。ありがとうございました。そしてお待たせしました。

確かに、タイトフィッティングという感じです。顔幅や、着る服のボリューム等々でレンズサイズの最適さは変わります。冬だと、服がゴワゴワなので、ちょっと位レンズが大きくても気にならないと思います。

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