ヴィンテージのメガネ、新品のメガネ
メガネのはなし

17.05.12

ヴィンテージのメガネ屋ですが、新品の否定として営んでいるわけでは無いです。狭いゾーンではありますが、銀無垢やSPMの無垢をやっています。それらは、現行の製品です。

例えば、今までメガネを掛けてこなかったひとが、古いメガネのデザインを気に入り、初めてメガネを掛けようと思うかもしれません。それをきっかけに、今のメガネの良さを分かってもらえるかもしれません。入口は何でも良いかなと思うんです。それを手伝ってあげないといかんなと、思っています。

メガネも、とうとうデザインが一周したのか、ここのところずっと回帰的です。そうなった時に、服と同じように、古着から今のデザイナーの服に至る、逆方向でデザイナーの服から、再現出来ない風合いに良さを見出して古着に至るようなことが、 メガネにも起こって欲しいと考えております。周りの様子から、何となく起こりつつあると感じております。ただ、いまは他所で購入したヴィンテージのメガネの受け皿が少ない且つ、売り手も売り逃げ感が強いので、変なイメージがつきそうで危惧しています。

 

あくまでメガネですから、顔に乗って綺麗かどうかが大事派です。例えば、50年代以前のアメリカやフランスのプラフレームの場合、

(レンズ横幅44ミリ)×2+(ブリッジ幅22ミリ)+(可動部の出っ張り部分10ミリ)×2=130ミリ

でしょうね。通販をあれこれ見ても、やはりフロント横幅130〜140ミリ位が多いです。

ちなみに、日本人男性の側頭幅の平均は160ミリ位なので、あれらは、基本キツすぎる訳です。そりゃ掛からんです。掛けた瞬間に、こめかみに当たりメガネが下がります。ブルバキでは、それを解消するところから始めます。

観た映画
雑記

17.05.10

映画を見ました。チアダンぶりでしたので、1ヶ月ぶりです。私にしては、ちょっとハイペースです。なかなか良かったので、ご紹介です。感動してウルウル泣くというよりも、自然にサラサラ溢れ落ちる感じの浸透力のある映画でした。

 

「ニーゼと光のアトリエ」

名古屋のシネマテークで、来週までやってます。今週は朝の上映で、来週は18時過ぎの上映です。あとは、刈谷で上映しているみたいです。

名古屋市美術館でアドルフ・ヴェルフリ展があり、その流れで気になったので見にいきました。詳しくは、アドルフヴェルフリとかアウトサイダーアートで調べると良いと思います。表現が難しいですが、要は無意識の領域を表現した絵です。

映画の内容は、精神のバランスが崩れてしまった方が、絵を描く、彫刻を作ることでバランスを徐々に取り戻していく過程と、その導入を巡っての病院内の医者同士の対立を描いています。精神外科のロボトミーを押さえておくと、映画の中の対立構造が一層よくわかって面白いです。

創る行為によって、自分自身を治しているという言葉が映画に出てきます。言葉にならない表現を、絵に託しているという感じです。確かに、ちょっとした悩みや仕事でのイライラなどを、他人に話したらスッキリするもんですからね。言葉に出来ず、蓄積すると爆発するもんです。

自分のメガネ販売を重ね合わせて考えておりました。もちろん、フレームのセレクト、検眼、フィッティング等々、これが本当のメガネだ!というものを伝えたくて始めました。そのきっかけは、怒りに近い感情だったのかなと振り返っています。その感情を、メガネを販売するというアウトプットで癒しているのかもしれません。他者の為に視力矯正やカッコよくなるためのメガネを販売しているつもりでしたが、自分の為に販売していたのかもしれません。それに付き合って下さるお客さんには、頭が上がらないなと、改めて感じた日でした。

ちなみに今池といえば、シネマテークからの中屋パンのあんドーナツのコンボは、もはや定番かもしれません。ですがやはりオススメです。

 

ツーブリッジについて
メガネのはなし

17.05.08

ツーブリッジのメガネについて。2016年の終わりくらいから、反応があります。特に20代の男女です。2017年になってからは、実際にかけている人も見かけるようになりました。豊橋でも見かけます。少数ですけどね。

メガネに関わらず、ファッションでもなんでもそうですが、ちょっとダサいくらいが丁度良いと言われる機会が増えました。別の表現では「カッコよすぎる」「オシャレすぎる」でしょう。

その、ちょっとダサいくらいが今の時代は「カッコいい」ということなんでしょう。そこでなんとなく気になるのは、良いと判断する行為が、責任を請け負わずに出来てしまうことでしょうか。

言い換えます。ダサカッコいいを選択しておけば、他人にオシャレと言われればそれなりに嬉しいと感じられます。ダサいと言われれば、ダサいのを選んでいるからしょうがないと自分に言い訳出来ます。全てを引き受けず、物の所為に出来てしまいます。

折角お金を使う訳ですから、ダサいと言われるとショックが大きいですが、これがカッコいいと思ったという宣言の元に、手にされるといいかなと思います。良いと他者から認められた時の嬉しさが違います。

ゴールデンウィーク、みなさまにはお越し頂きありがとうございました。今日は落ち着いておりますので、ツーブリッジのメガネを見ながら、そんなことを考えておりました。70年代くらいのツーブリッジが良いですね。ツーブリッジも、ただブリッジが2本あれば良いって訳にはいきません、カッコいいのをご用意してお待ちしております。

余談
雑記

17.05.06

ヴェンナーラインの、ちょっと高級なシリーズなんでしょうね。他にも、「ROYAL」の印刷があるヴェンナーラインのメガネを見たことがあります。

実は、店名の候補にありました「ローヤル」。結局やめましたが。他には「デラックス」とか。

70年〜80年にかけて、どんな商品でも高級ラインとなると大体ローヤルとかデラックスとかつきますよね。あの響きが好きで、最後の最後まで悩みましたが、店名とするのはやめました。最近は聞きませんね。ローヤルゼリーぐらいでしょうか。

高岡の喫茶店も、ローヤルボンボンの看板が残っております。ボンボンのメニューにも、「プリンローヤル」があって、現在もローヤルというワードが生き残っております。高級過ぎない感じが丁度いいんですよね。

未だ、ローヤルという響きには反応してしまいます。ちなみに、プリンローヤルは、プリンアラモード的なやつです。確かにローヤルなので、一度食べて見てください。

最近の一押し
ヴィンテージのメガネ

17.05.06

ヴェンナーラインのオプチルフレームです。ヴェンナーラインは、後々カレラ社に名前が変わってしまいます。

60年後半から70年代にかけてのオプチル素材のフレームは、基本見つけたらコレクションしております。アセテートやセルロイドには無い、圧倒的な透明感と、インジェクションだからこそ出来る迫力のある造形がたまりません。特に、銀無垢等々でベーシックな物を揃えてしまいますと、どうしても反動で金属では絶対形成出来ないメガネに惹かれてしまいます。

大体オプチルフレームですと、その年代的にも、人類が宇宙を目指していた時代ですから曲線を使ったデザインが多いです。これは私が見てきた中では珍しく、直線的なカザールみたいな厳つさがあって、特に惹かれております。久々に心拍数が上がりました。

そろそろ、アイビーテイストの収まりの良いメガネではない新しい表現があっても良いかなと思っております。

眼鏡すごいぜ!
雑記

17.05.06

香川照之さんの、昆虫すごいぜ!を拝見しました。1限目は見ておらず、この前が初めてでした。今日の深夜に再放送があります。

香川照之さんが凄すぎて、感動しました。自分を滑稽に見せるくらいに、圧倒的な熱量で昆虫の世界の素晴らしさを伝えていました。私には、もはや面白おかしく見えなかったです。すごかったです。勉強になりました。

入荷しております
ヴィンテージのメガネ

17.05.05

ゴールデンウィークもそろそろ終わりそうですが、入荷しております。ようやくレストア出来ましたので、今からある程度並べます。デッドストックでも、まずはクリーニングと型直しが必須ですね。そこから必要であれば諸々の直しなので、並べるまでには割と時間をかけております。

ドイツの70年代が中心です。カチッとしたフレームだけでは無くて、写真のような可愛らしい、サングラスにオススメなメガネも入りました。お待ちしております。

愛知観光案内
雑記

17.05.01

ゴールデンウィーク明け、今年は13と14日といえば、愛知県ではおなじみになりつつある、森道市場があります。

ですが、私が推したいのは

「栄ミナミ音楽祭2017」

というイベントです。矢場公園を中心に、同じく13日と14日に行われます。これも毎年おなじみで、ゴールデンウィーク明けに行われています。そろそろ10年目かもしれません。

仕事を変えてからは行けていませんが、それまでは毎年行っていました。会場は沢山あるのですが、私は矢場公園の一択です。ロフトの前の公園です。昼から、コーヒーとか色々買って、ステージから流れる歌をぼんやり聞くのが毎年の楽しみでした。

しかも、今年も嘉門達夫さんが出ます。嘉門達夫→奥華子→バンバンバザールなので、個人的には相当ストライクです。バンバンバザールさんは日曜日の16時半スタートというのが、これもまた音楽祭では恒例となっています。エビフライの歌と、ハイエースの歌が最高です。いい曲ばかりですし、トークが面白いです。

その時期ですと、日中は半袖でもちょっと暑いくらいです。その年の最初の日焼けをしながら、心地よい音楽を聞いていると、どんどん日がオレンジになってきます。生い茂った木々の緑を眺めつつ、日中の暑さを労わるような夕暮れ時の涼しい風を受けながら音楽を聞いていますと、なんだかよい気分になれます。

ベンチがありますし、近所のおじいちゃんとか小さい子連れの家族とか年齢層が高めですし、落ち着いて聞けるのも良いですよ。豊橋や三河方面にも来て欲しいですが、今回は名古屋の味方をしてみました。

素材について
メガネのはなし

17.04.27

アセテートかセルロイドかみたいな話があります。ちょっとメガネに興味を持ってくださった方なら、なんとなく聞いたことがあると思います。プラチック方面は懐古的だなと思っていましたら、メタルもそんな感じになってきました。

このブログでも書いているサンプラチナ(SPM)素材のメガネが、現行でも見かけるようになりました。チタンかサンプラチナか?という話が出始めそうです。

古い素材だから良いとか、なんだかなぁと思います。ヴィンテージのメガネ屋ですが、古いから自動的に良いとは判断しません。業界の努力・進歩は、元々の素材の欠点を補う・超えるために向けられています。チタンのフレームが、81年に日本で初めて生まれるまでをまとめた博士論文が手元にありますが、今でこそチタンが普及したというだけであって、簡単に作ることができるという訳ではないです。

あれこれ申し上げましたが、なんだかんだサンプラチナは良い素材ですよ。当店で扱っているメガネだけでは無く、色々なメガネを見比べて見ると面白いと思います。ただし、金属を鍛え上げ、メッキをせず、鳥肌が立つくらい透き通るような仕上げを施し、この素材ならではの良さを最大限に引き出しているメガネは少ないとは思います。

決定を下す際のルール
雑記

17.04.27

昨日の通過儀礼から引き続き。あれからあの映画館が気になり、 ネットで調べてみました。そうしましたら、映画館を続ける熱のこもったインタビュー記事にあたりました。それに、やはり隣の喫茶店は同じ経営であり、映画を見たもののみが利用できるという内容でした。

若干の後悔です。あのとき、駐車場でたじろいだときに、ネットで調べて入ることも出来たわけですが、それはしませんでした。しませんでしたと言うよりも、しないことが自分ルールになっています。

突然出会った衝撃を、そのまま受け止める為です。調べてしまうと、その感動がちょっと薄れてしまうんです。今の時代は、調べれば大抵何かしら引っかかります。誰かが先に見つけています。常連さんがいます。だからこそ、いま、何も知らなかった自分が見つけてしまった、さあどうする?という状態で判断を下したいなと思うわけです。

事前に調べてプラスのイメージを持つことは良いことですが、不意打ち感は薄れます。自分の物差しだけで、一切を排除して未知のものを測るということが出来なくなってしまったわけです。知ってしまうと、確認作業になってしまう部分がどうしても出てしまいますから。

そうは言っても、知った上で実際に体感することは大事です。このブログ自体が、まだブルバキに来ていただいていない方にとっては衝撃を薄れさせる作用を及ぼす事を鑑みますと、矛盾しているなとも思えてきました。

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