このタイプ、初めて手に入れることが出来ました。フランス製。一部、石等々の欠落がありますが、状態は良い方ではないでしょうか?50年代から60年代に登場します。おそらく50年代がメインです。各種図鑑でも、ページが割かれるゾーンです。
もっと凄い…。
着用の痕跡がありました。お金持ちが本気でパーティーで使用していたんでしょうね。一番ビックリさせた人が一番エライみたいな風潮があったのでしょう。
艶出しの磨きも大変でしたが、ストーンとその周辺にある鉄の粒々の欠落の補修が大変でした。はじめは躊躇っていましたが、やはりラインストーンの輝きが鈍いということで、思い切って超音波洗浄をしましたところ、予想以上に石等々が外れました。
取れた石と飾りの被せの一部。
これを、本日ようやく全て貼り終えました。銀の点々の飾りも、ペイントではなくて金属の被せです。
全体で2時間半くらい時間を費やしています。商品化させないといけない商品は他にも沢山あって、飾る為だけの商品に、こんなに時間を使ってはいけない状況かもしれないですが、やはりこの衝動は止められずでした。もちろん、欲しいと言われれば販売致しますけどね。自分が売れないと思っているだけで、意外にすぐ販売することもあります。
この眼鏡の材質はアセテートですから、型でぽこんと抜いて作れるものではないです。板から切り出して、ヤスリ入れて磨いてをひたすら行い、時間をかけて作られます。そしてさらに、仕上げに石等の装飾です。くり抜いた部分は、眼鏡としては面積が狭いのでそのまま廃棄だったかもしれません。かけられた時間もそうですし、材料の観点からも贅を尽くした感があります。
装飾に関しては、石の台座となる穴を掘る、金属の被せの為に溝を掘って、そこから飾りを乗せています。塗料でちょんちょんと筆でのせているわけでは無いです。割とここも手間がかけられており、光り輝くことが一番の主眼に置かれていることが窺えます。
今回ご紹介のものに限らず、珍奇眼鏡ということでボチボチ紹介も続けていきます。確かにそれらは、あまりの迫力に、まずは笑えます。でもその先がありまして、その笑える物、現代では意味を上手く与えられないような物が、確かに存在したということが大事だったりします。当時から大真面目に認識されていたかどうかは分かりませんが、いずれにしても作りは本気です。それが、半医半商の眼鏡という分野でも行われていたというのは、大変興味深いです。
ということで初めに紹介したのは、最近届いたというのもありますが、珍奇眼鏡界の女王のようなメガネにしました。向けられた努力が凄まじい、贅沢な一品でした。