Amor
ヴィンテージのメガネ

19.01.18

レストア完了です。在庫移動を繰り返す内に出来たであろう、ブリッジ部分のスレが著しく、ベースの金属が露出しております。在庫化を諦めるには勿体ないデザイン、さらにはレンズサイズとブリッジ幅でしたので、あれこれ理解して頂けそうな方だけに披露していました。この度売れました。

フロントの角度、つまりは傾斜がカッコいい為、高さが出やすい鼻盛りパッドを使用し、頬に当たりにくいようにしております。ちょっと上がった目尻の感じと、横から見たときのシャープさが綺麗です。

蝶番の作りが非常にミニマルです。掛けたときの上品さは、このパーツがゴツく無いからでしょうね。

先セルは、掛けやすさを大事にするためにも交換しました。エッセルのナイロールフレームもそうですが、フランスのフレームの初期装備の先セルは、細い場合が多々です。それは美的感覚からなのか、フィッティングの理論が曖昧で何となくそうなったのか判然としませんが、大概細いです。

(これが初期装備です)

今回はテンプル長145ミリでしたが、135ミリに変更の為、交換のついでにテンプルのカットも致しました。長過ぎますと、乳様突起に触れて痛みが走ります。それはそれでダメだったりします。

フレーム全体のシュッと感が減りますが、掛ければ耳の部分は髪で隠れますし、しょうがないと思います。先セル交換は苦手ですが、まあまあ頑張ってウネウネせずに差し込んでいます。

鼻盛りはこんな感じです。セルのネジ穴も拡張して、ネジと生地が干渉しないようにしております。

パーフェクトコンディションで出てきた物より、相当手を施しているわけですが、もちろん価格としては落とさざるを得ないわけですし、心情としても落とすべきと思っています。それでもこの古物あるあるは複雑な気分ですね。好きじゃないと出来ないと言われればそうかもしれません。

ネジ頭切り
ヴィンテージのメガネ

19.01.11

ネジに関しては、オリジナルだからといって、特に良いことは無いです。加工する度に、つくづくそう感じています。なので、ちょっとでも弱っているネジがあれば、長く使えるようにするためにも現代の日本のネジを挿しています。頭がプラスになってしまうので、美観の点でマイナスなのは仕方がないことだと考えております。

超音波洗浄して、いつも通りゆっくり回しましたが、一発でネジを舐めました。デッドストックでもこんな感じです。さらに念には念をで、ネジ周辺を温めておくべきだったかなと反省。

今回は、サーモントの中身のリムネジでした。ドリルもニードルも入らないので、ちっさいカッターみたいな物でマイナスの頭を作り直します。割とこれで作る頭も舐めやすいと感じていますので、うまく抜けて本当に安心しました。

これより最悪のケースですと、ネジの頭がポロッと取れる場合ですね。メタルフレームも油断は出来ませんし、届いてからもあれこれやる事は多いです。

ようやく買いました
雑記

19.01.11

店舗のハンコをようやく作りました。今までは、伝票も領収書も全部手で書いていましたが、場所が確定しましたし、その場所で一年以上続きましたし、新年早々思い立ちましてハンコでも作りました。店の名前、住所、電話番号が一緒に記載されて、尚且つ変更不可能な物があるという事が、妙に嬉しかったりします。普通の店の場合は、オープン前に準備しているものでしょうね。ということで、普通以下のことでも、ブログに書くくらい喜んでしまいます。毎日楽しいです。

もともと新栄で開店する際に、シャチハタの古いタイプのスタンプ台を頂いていました。写真のそれです。おそらく、オールドシャチハタはメタルの蓋で、現行はエコのスタンスから樹脂らしいです。

折角ならオールドシャチハタを活用しようという事で、スタンプとインクが一体化してない物を頼んでみました。他の色もあったのか、指定しなくとも、まさかのクリアブルーでした。透明で、生成りっぽく変色させたかったけど仕方なしです。むしろ、まだこのプラスチックの台座の物も作れるんですね。それだけで良しです。

「正しい印章 明るい日本」

と、紙袋に印刷がありました。そういえば当店で飾っています、古い眼鏡屋の看板も

「正しいメガネで 明るい世界」

という文言です。やや壮大で胡散臭くて個人的にはかなり好きなフレーズだったりします。こういうフレーズにも、やはり流行り廃りがあるっぽいですね。

メガネを乗せるために
メガネのはなし

19.01.09

お持ち込みのメガネ。実は、いきなりパーツを交換しています。トップの画像の先セル(耳に掛かる部分)は、純正品ではありません。汎用品です。テンプルの細さは1.0ミリφで、先セルの交換品が、一般に手に入ります。どのメガネ屋さんでも大概です。それよりも細いと難しいかも。

なぜ交換したか、それは見て一発でメガネが止まりにくいと分かるからです。

元のパーツと比較します。袋の中が正規パーツですが、金属に触れない様に、同じ太さで被せてあるタイプの先セルでした。メガネは、圧迫ではなく摩擦で頭部に保持されています。先セルが細ければ、頭部後ろで摩擦が生じず、メガネはズルズルと下がります。耳の後ろにピッタリと沿わせた場合、重みが全て耳に掛かるので、痛くなるかもしれません。

クリアブラウンで、たまたま供給品がやや細めの先セルでしたから、元のイメージを崩さずに交換出来たと思います。今のメガネですと、結構このような先セルが細いパターンも多いはずです。

鼻盛りの問い合わせをたくさん頂きますが、メガネは鼻だけで乗っているわけではありません。メガネが下がって困っている方は、耳の部分を観察してみるといいかもしれません。

バランスがおかしい
ヴィンテージのメガネ

19.01.08

入荷品から。名無しのイギリスフレームです。おそらく作りから60年代。

様々な面白いメガネがありますが、このパターンもなかなかです。ぱっと見、普通ですが至るところでバランスが崩れており、それ故の可愛らしさが爆発しております。メガネもバランスの崩れから生じる可愛らしさが存在します。正月に、親戚の2歳くらいの子供を観察していまして、あの可愛らしさの中枢は手脚の短さかなと考えていたのですが、同時に均整が保たれているだけが良さの全てでは無いなと改めて感じた次第です。

まず、レンズの形がよく見ると凸凹です。単純なボストンとか丸ではなく、やや角ばっています。また、ブリッジが異様に太いです。結果、マスクの様な存在感があり、見れば見るほど出しゃばり感が凄まじいです。一見普通そうに見えて、実は異様というのがメガネでも何でも難しかったりするわけですから、この高度な天邪鬼感が実に堪らないです。

テンプルはしっかりと長さがあり、フロントサイズは小さいながらも、ちゃんと大人用だと推定できます。この写真で掴める特徴としましては、テンプルがフロントと同じ厚みの生地で作られています。それは全体的にゴツい印象を与えます。やはりここでも、こっそりと存在感の演出ということが施されております。

ほとんど何も出来なかった正月
雑記

19.01.07

大体正月といえば本を読み漁るか、眼鏡関連で見ようと思っていた映画を見るか、この二択で過ごすことが多かったですが、今年は殆ど何も出来ずでした。唯一、映画のファイトクラブだけは見ました。

まさにこれは、暇と退屈の倫理学の映画版ですね。結論が違いますが。アイデンティティの問題にも言及している感じですから、とにかく深くて面白い映画でした。ただし、ややバイオレンスですので、正月の平和ムードには合わなかったですね。色々反省です。

23日〜25日は休み
営業案内

19.01.07

既に判明していますので、早めにご連絡です。今月23日(水)〜25日(金)は休みです。ちなみに眼鏡関連です。旅行では無いのでお許しください。

年末分は、大体加工し終わりました
雑記

19.01.07

年末分は全部完了です。年始分は、度無しは全部完了です。振り返りますと、ブログの更新もしっかり出来ないくらいでしたから、忙しかったかもしれません。ありがとうございました。

もうすぐブルバキは3年経ちます。新栄の店は1.5年です。3年前の今頃は、開店準備という名の手持ち無沙汰でして、ただただひたすらに悶々としながら、為すこともなくゴロゴロしていたと思います。

そのゴロゴロのときに、何を考えていたかなといいますと、『3年後に、どのような状態だったらブルバキを畳むか?』みたいなことを考えていたはずです。そういえば、そろそろその3年を迎えようとしていました。今まで忘れていたくらいですから、もちろん2019年も続投です。なんかもう、閉店みたいなブログになっていますが、ちゃんと続きます。これは、2019年も頑張るぞ!的な内容です。

機が熟すのを待っている状態なのか、惰性で続いているだけなのか、3年後にどうやって自分で判断するのか。どうやって見切りをつけるのか、続けられると判断するのか。丁度そのときは、「始めるのは簡単だ」みたいなことも各所から言われておりました。たしかに、その通りだなとも感じていました。それよりも続けることが難しいんですよね。これは多分、何事もだと思います。ならば続けるか続けないかの判断をしっかりとしようと、ぼんやり考えていた気がします。難しいが故に、ズルズルと引きずって、肉が削がれて骨が見える状態まで痩せ細ってはいかんですからね。

おそらく当時考えていたことは、金額による判断では無かったはずです。始める前から数字の精度を高めてもしょうが無いなと感じていましたので、ああいう状態なら止めるとか、ほにゃららの状態が続いたら止めるとか、そういうのだった気がします。先ほども書いた通り、いまこの時点でそれらを覚えていないということは、そもそも、やめる気が無いじゃんということなんですけどね。実際、メガネしか私には無いですからね。

今日から仕事始めの方が多いと思います。昨日は、その前に挨拶に来てくださった方が多くて嬉しかったです。ちょっと嫌な日常が始まる前に、ブルバキで束の間の安息を得ようとして下さる方がいらっしゃるということが、店の存続を保証してくれている気がしました。それを言うなら、年末の挨拶に来てくれた方もそうですし、普段店にも来てくださるのにイベントでも会いに来てくださる方もそうですし、ということは全ての来店が該当する気がしてきます。ただ、昨日は際立って「続けて良さそうだな」という実感を得られたのは間違いありません。そのときに、フワッと3年前の悶々を思い出した次第です。

ブルバキは、2019年も低空飛行を続けていきます。おそらく冬を越えたら、ヴィンテージ品の入荷だけでは無い、あれこれ新しい変化がありそうです。まだまだ頑張ります。

昨年は、お世話になりました。そして本年も、お付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。

土曜日から開けます
営業案内

19.01.03

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

なんだかんだで、5日の土曜日から開けます。明日4日の金曜日は、前準備で居る予定でしたが、それを2日におこなってしまったので、多分店にいないです。インスタでパパッと載せましたが、2日に荷受けがタイミング良く出来たおかげで、さらに追加でイギリスから入りました。年が変わっても相変わらずゴチャゴチャしたスタートです。入荷処理が追いついていないです。急には色々変われないので、いつも通りです。

本年もありがとうございました
雑記

18.12.31

お世話になりました。おかげさまで、終わりがけはバタついて、今になって締めの言葉が書けています。

一年で、かなり店らしくなりました。飾る棚も満足に無い状態でしたが、それっぽく整えることが出来ました。2019年は、店内空間よりも商品に一層の力を入れまして、メガネで楽しんでもらえることに、より注力いたします。

新年は、5日から開けます。4日も、年末分の加工を全て仕上げる為に店に居ると思います。接客は出来ないですけど、暖はとれます。

写真は、28日の骨董市で買った札です。見渡す限り無駄だらけの店の、渾身の自虐ネタです。

それでは、良いお年を。

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